2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
田中 とも子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70307958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘルスプロモーション / 生活習慣病 |
Research Abstract |
齲蝕と歯肉炎は罹患率の高い生活習慣病であることから、児童が自らの手でこれらの疾患の予防できることを経験・習得すれば、健康増進能力の開発につながると仮説を得た。この仮説を検討するため、児童の口腔状況、生活習慣などを調査し、開発した教材を用いて健康教育を実施してきた。今回は、これまで蓄積したデータを用いて、2年間のその教育効果を明らかにするために分析を行った。 対象は、沖縄県某市と神奈川県某市在住の調査開始時小学3・4年生630名で、研究参加の同意が得られた者とした。生活習慣・環境、歯科予防行動、健康知識、自己管理スキルなどを調査し、口腔状況はdf 、DMF、OHI-S、PMAについて調査した。なお、平成19~24年の調査期間中、各学校で3年間のコホート研究を行った。 対象を無作為に従来の学校保健教育を受ける群(従来群)と従来の学校保健教育に加えて問題解決型健康教育を受ける群(教育群)に分けた。歯科疾患を教材としてコーチングを取り入れ作成した教材による教育の実施にあたっては7人程度のグループを作り、教育担当を歯科衛生士1人とした。統計解析にはWilcoxonの符号付き順位検定とMc Nemar検定を用いた。 調査開始・終了時での変化を分析した結果、dD歯数は従来群と教育群ともに改善がみられた(p<0.01)が、OHI-S、PMAでは従来群のみであった。自己管理スキルは教育群のみにスコアの向上がみられた(p<0.01)。また、今回分析した歯科予防行動のうち「1日食後3回以上歯みがき」は教育群のみに関連がみられ(p<0.01)、「デンタルフロスの使用」、「学校健診以外の歯科健診受診」については、両群とも関連がみられなかった。 以上の結果から、問題解決型健康教育は口腔状況の改善に即効性の効果をもたらすとはいえないが、自己管理スキルの向上による行動変容に有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に基づき順調に調査は進んでいるが、予定より蓄積できたデータ数が少なかったため、次年度は調査対象の小学校を1校増加する。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度と同じ研究対象者に加えて調査対象の小学校を1校増加し、初年度と同様の健康調査・口腔健診を行い健康状況の改善の有無やその程度を明確にする。さらに、保健行動・口腔関連QOL・環境因子の調査を質問票で調査する。対照群にも同様の調査を行う。以上の結果から、数値目標の達成が難しい因子を抽出して、その改善のため、次年度に向けての教材を新たに作製しヘルスプロモーション介入する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度へ繰り越した研究費で調査対象の小学校を1校増加し、さらに多くのデータの集積が可能となった。増やした調査対象の小学校に対しても他校と同様の健康調査・口腔健診を行うため、健診器具、調査・健康教育のための旅費、調査補助者への謝金、郵送料を支出する予定である。
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Research Products
(1 results)