2012 Fiscal Year Research-status Report
日本における患者‐看護師間の対人援助関係の構築・促進・維持に関する看護技術の特徴
Project/Area Number |
24593190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田所 良之 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (50372355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 対人援助関係 |
Research Abstract |
本年度はまず目的に照らして、文献や情報の収集・検討を主に行った。日本文化に根ざした看護師‐患者の対人援助関係に関する書籍、研究論文からの最新の情報の収集ならびに、関連する学会・学術集会・セミナーへの参加により、日本人看護師が日本人の患者に対して行っている対人援助方法に関する情報を探索した。 日本の看護師国家試験受験および合格状況の調査の結果、国家試験合格者としては、第99回看護師国家試験(平成22年)ではインドネシア人看護師1名/フィリピン人看護師1名、第100回(平成23年)ではインドネシア人看護師15名/フィリピン人看護師1名、第101回(平成24年)ではインドネシア人看護師33名/フィリピン人看護師13名の合格者があった。しかしながら、第102回(平成25年)では30名の外国人看護師が合格したが、この回からは氏名および国の公表がされなくなったため、対象者を得るためのネットワークサンプリングに工夫を要すると思われた。 対象者確保また協力者確保のために、以前の研究対象者、及び、インドネシアガジャマダ大学教員が来日した際に情報交換を行い、対象者確保のためのネットワークサンプリングを進めていくこととなった。 今年度は以前インドネシア人看護師およびその指導役看護師に対して行ったインタビューデータを分析し、丁寧な言葉遣いで患者を尊重し患者の権利を示す,患者と近すぎず遠すぎない関係性を作る,自らの感情をコントロールして患者に接する,お互いの関係を維持するために言葉での表現を控える,長いつきあいの中でも慣れ合いになりすぎずわきまえて接する,高齢患者を人生の先輩として尊敬して接する,援助が受け入れられなくても患者の過去や現状を追体験して多面的に理解しようとする,患者に対して出来ることを親身になって考え続ける,落ち着いた雰囲気でかかわる、を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)海外での看護経験をもつ日本人看護師:当初、想定したいたコーディネータの職場内役割の変化などに伴い、対象者確保や調整などのコーディネート業務を担うことが困難であった。 (2)EPA/FTAによる外国人看護師:対象者へのアクセスだけでなく、対象者が勤務している職場への許可・承認をとる必要があり、対象者からの承諾がとれても所属組織からの許可が下りないことがあるたった。 (3)外国人看護師を指導した日本人看護師:(2)と同様の状況。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度はデータ収集を集中的に行う年度として計画している。そこで、以下のように予定する。 (1)海外での看護経験をもつ日本人看護師:引き続き可能なコーディネータの複数確保につとめ、対象者確保や調整などのコーディネート業務を依頼できるようにする。 (2)EPA/FTAによる外国人看護師:看護師国家試験の合格者を対象に、引き続き依頼を続ける。また、インドネシアに帰国したインドネシア人看護師も対象者に含め、インドネシアでのインタビューも想定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、対象者へのインタビュー調査(国内外での調査)が進まなかったが、平成25年度はインタビュー調査を集中的に行っていくため、出張旅費経費・謝金・人件費などを中心に昨年度分も含めて支出される予定である。 また文献や研究論文などの資料収集、成果発表および資料収集のための学会参加、データ収集・分析に必要なドキュメントスキャナ、ボイスレコーダーやコンピュータソフトウエア等を整備し、旅費及び物品費として支出する予定である。
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