2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本における患者‐看護師間の対人援助関係の構築・促進・維持に関する看護技術の特徴
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24593190
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田所 良之 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (50372355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 対人援助関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である、日本における患者-看護師間の対人関係の構築・促進・維持に関する看護技術の特徴を明らかにするために、平成26年度は以下のことを行った。まず、前年度に引き続き、対人援助関係に関する関連書籍や文献からの資料収集・研究協力者との研究結果の検討・関連学会やセミナーへの参加による知見の収集を継続した。その結果、日本古来からある家長制度や権威の構造、個人の利益よりも集団の調和を尊ぶ日本の文化が根付いており、また中庸や曖昧性をよしとしてきた価値観もあいまって、日本独自の対人援助関係が形成されていくことが示唆された。また、異文化経験をした対象者らのインタビュー(あるいはグループインタビュー)からは、日本人看護師が日本人の患者との対人援助関係を構築・促進・維持に関する看護技術の特徴として、(1)無理を聞いたり抜け道を作ったりする、(2)へりくだって自分を下げることで患者を安心させる、(3)トラブルが起きないように場の雰囲気を整える、(4)患者中心に考えて患者のタイプに合わせる、(5)言葉の丁寧さを使い分ける、(6)主張しすぎず、しかし与えられたことは確実に行う、(6)自己紹介・挨拶をしにいく、(7)賢い人よりいい人になる、(8)きめ細やかに気づき平等に接する、等が抽出された。日本人看護師が自文化に根差した経験や日本での看護基礎教育で受けた経験に基づいて行っている、日本文化独自の対人援助関係構築・促進・維持に関する技術を巧みに用いていることが明らかになり、本研究の知見を活用して、EPAの協定によりインドネシアに加えて、フィリピンからも日本にやってきている看護師へのトレーニングに活用されることが期待される。
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