2013 Fiscal Year Research-status Report
看護必要度と看護師の労働負担評価に基づいた運動器障害予防対策に関する研究
Project/Area Number |
24593196
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20293821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
西田 直子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80153881)
鈴木 ひとみ 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (60462008)
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Keywords | 看護必要度 / 運動器障害 / 看護管理 / 安全衛生管理 |
Research Abstract |
平成25年度は、2大学病院、6民間病院の看護師計2134人を対象に、労働と腰痛に関する質問紙調査を実施した。また、計56病棟の看護必要度データを収集し、病棟別の自覚症状訴え率との関連を検討した。 回収数(率)は1549人(73%)、性別の有効回答数は女性1434人、男性102人、平均年齢はそれぞれ33.3歳と29.6歳であった。調査時点の腰痛有訴率は女性57.4%・男性48.0%で、うち「時々休憩が必要な」あるいは「休憩するほどではないがかなり痛い」腰痛の訴え率は男女とも30%、過去1か月の腰痛(いつも+時々)有訴率は、女性74.0%・男性62.7%であった。介護職員と同程度に高い有訴率だが、腰痛での休業経験は女性7.5%、男性9.8%であり、痛みを抱えながら仕事をしている様子が伺われた。身体部位別の痛み有訴率は、女性で頸29.4%・肩36.7%・腕10.0%、男性で頸13.7%・肩19.6%・腕4.9%と、女性の方が約2倍高かった。看護師では、腰痛のみならず頸・肩・腕部痛に対する対策も必要であると考えられた。 2大学病院の全病棟と1民間病棟の一部は2交替制勤務、その他の民間病院の病棟では3交替制勤務であった。2大学病院の全病棟は看護基準が7:1であったが、民間病院では看護基準13:1や15:1の回復リハビリ病棟や、看護基準10:1の慢性期・療養型病棟が含まれていた。看護必要度のB項目の点数が高い病棟の看護師は腰痛訴え率が高い傾向にがあったが、診療科目、交替制勤務の種類、勤務日数などの要因を考慮した詳細な分析が必要である。 なお、平成24年度の調査結果の一部は、釜山(韓国)で7月10に開催された第8回作業関連性運動器障害予防の国際科学会議(PREMUS)のシンポジウム(第3回作業関連性運動器障害に関する日韓共同シンポジウムを兼ねる)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いくつかの民間病院で質問紙調査の回収が遅くなったため、集計開始が当初の予定よりやや遅れ、データクリーニングに時間がかかった。全体集計は終了したものの、クロス集計や看護必要度との関連については、現在詳細な分析を進めている。運動器障害予防チェックリストの第1版の原案は作成中であり、協力病院でのパイロット的な使用はまだ実施していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、質問紙調査のデータをさらに検討し、また、現場で使用可能な運動器障害予防対策チェックリスト第1版を完成させた上で、調査対象病院に出向き、結果報告会を行う。チェックリストは実際の使用と評価を依頼し、バージョンアップを図る。可能なところは運動器障害予防研修会を兼ねて実施し、本研究が各病院の安全衛生管理の向上と、看護師が長く健康に働き続けられるような対策立案に貢献できるように努める。 本研究の成果は、日本産業衛生学会および社会医学会にて発表し、論文を執筆・投稿する。また、公開可能な成果物は教室のホームページにアップする予定である。また、厚生労働省が中央労働災害防止協会に委託して行う医療機関を対象とした腰痛予防対策事業について、その教材作成に協力する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、垰田も釜山での国際会議に参加を予定していたので、その旅費を計上していたが、教室の仕事のため不参加となったので支出が不要となり、旅費が余ったため。 ホームページの管理費や論文投稿費用などに上積みして使用する予定。
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Research Products
(9 results)