2013 Fiscal Year Research-status Report
新卒看護師のレジリエンスを向上するための教育支援に関する研究
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24593200
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村田 尚恵 佐賀大学, 医学部, 講師 (70588706)
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Keywords | レジリエンス / 新卒看護師 / 教育支援 / 職業性ストレス / 職務満足感 |
Research Abstract |
入職後の新卒看護師のストレス反応は強く、看護管理者は離職防止や職場適応のための効果的な教育支援を探求している。本研究は、新卒看護師が職業性ストレスを乗り越えるために、心理的回復力であるレジリエンスを向上する教育支援について考案することを目的としている。 研究2年目である本年度は、データを増やすために自記式質問紙調査と面接調査の継続を計画した。自記式質問紙調査では、看護基礎教育を終了して医療機関にはじめて入職した新卒看護師192名を対象に、入職して3か月後、6か月後、12か月の時期に、看護師レジリエンス、職業性ストレス、離職意向、職務満足感などについての調査を実施した。現在、最後の調査時期に配布した質問紙の回収が終了し、データの入力中である。そのため、入職後3時点のデータの推移についての分析結果はでていないが、入職して6か月後の調査において、看護師レジリエンスが抑うつ感や離職意向を低下させる要因として影響していることが確認された。また、看護師レジリエンス尺度得点が高い人は低い人に比べ、仕事のコントロール度や仕事の適性度、働きがいが有意に高く、職業上の効力感が高いことが示された。 面接調査では、質問紙調査終了後に協力の同意が得られた新卒看護師を対象として、1年間の職務経験を振り返ってもらい、ストレス状況の受け止めやストレスを乗り越えるための行動などについて半構成的面接を計画し、現在実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、研究初年度に質問紙調査、2年目には面接調査を終了する予定であった。データ数を増やすために本年度も調査の継続をしたため、現在も面接調査中である。計画より遅れが生じているものの、研究の遂行に問題はないため「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、看護師レジリエンスと職業性ストレスおよび離職意向や職務満足感との関連、看護師レジリエンスの縦断的変化などについて分析をする。また、面接調査ではストレス状況の受け止めやストレスを乗り越えるための行動についてインタビューを実施し、看護師レジリエンス尺度得点の結果と合わせて分析する。これらの結果を踏まえ、新卒看護師のレジリエンスを向上するための教育支援について考案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査と面接調査を継続したため、データ入力を行う研究補助者への謝金や面接調査のための旅費やインタビューの協力者への謝礼が引き続き必要となり、次年度使用額が生じた。 次年度は、質問紙調査のデータ入力と面接調査でのインタビュー内容を逐語録にする研究補助者への謝金が必要となる。また、面接調査に関連する旅費とインタビューの協力者への謝礼が必要である。上記以外には、研究協力施設との調整会議に関する旅費、学会発表を目的とした旅費の使用を予定している。
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Research Products
(1 results)