2013 Fiscal Year Research-status Report
開発途上国における多施設参画型院内感染対策ネットワークシステムの構築
Project/Area Number |
24593203
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
垣花 シゲ 琉球大学, 医学部, 教授 (50274890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久田 友治 琉球大学, 医学部附属病院, 准教授 (60178001)
眞榮城 千夏子 琉球大学, 医学部, 講師 (70295319)
伊波 由美子 琉球大学, 医学部, 助教 (30639521)
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Keywords | 開発途上国 / 院内感染対策 / 多施設参画ネットワークシステム / ラオス国 |
Research Abstract |
計画通り「ラオス国における院内感染対策に関するネットワークの強化」をテーマにワークショップを開催した。当初は、ネットワークシステムメンバー施設の参加者を一堂に集め、ワークショップを開催する予定であったが、デング熱が流行している時期で医療施設が多忙である事、近隣に適切な会場が無く、郊外の会場へ参加者が移動するには時間と費用がかかるという事情があり、3病院で別々にワークショップを開催した。 保健省から看護専門官2人が列席し挨拶を述べ、病院長または副病院長が会の冒頭でワークショップの成果に期待する旨の挨拶を述べた。プレゼンターはNational Center for Laboratory and Epidemiology(NCLE)から細菌検査主任、ラオス保健科学大学看護学部から副学部長、3病院から各院内感染対策担当者、日本側から主研究者と共同研究者が行った。3回のワークショップ出席者数は病院職員約100名であった。 プレゼンテーションテーマは、日本側から「ヘルスケアに関連した院内感染対策ネットワークシステム構築の意義」「スタンダードプリコーションの概念」、NCLEから「ラオス国の2病院における院内感染の細菌学的調査報告」、ラオス保健科学大学看護学部から「大学における感染看護教育カリキュラム」、3病院から「院内感染対策トレーニング室の役割」「院内感染対策における看護師の役割」「院内感染対策の現状」であった。どのテーマもラオス国における感染対策について時機を得たものだった。 参加者は熱心にメモを摂り、プレゼンテーション後のディスカッションでは情報交換と現状に関するお互いの果たすべき役割についての熱を帯びた意見交換があり、ワークショップは成功した。次年度の選定病院の視察計画についても概ね了解が得られ、MOHから許可を得る事が必要であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は大きく分類すると、1.ワークショップ開催準備、2.ワークショップ開 催,3.ワークショップの事後処理以下の3点であった。計画通りに、ネットワークメンバー施設との連絡・調整を行い、ワークショップ「ラオス国におけるヘルスケア関連院内感染対策ネットワークシステムの強化」を準備・開催し、事後処理を実施した。しかし、本年度の計画の中で予定していた「スタンダード・プリコーションに関するデモンストレーション」「ワークショップの評価:参加者への質問紙調査」を実施できなかったので、次年度の計画へ変更する。従って、概ね順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、多施設参加の院内感染対策ワークショップ開催を通してラオス国に院内感染対策ネットワークシステムを構築することである。したがって、ワークショップ開催には、ラオス国の協同研究者および協力施設が主体的に参加することが重要であった。初年度の準備段階で、ラオス保健省、国立検査疫学研究所、参加協力施設(ラオス保健科学大学看護学部、セタチラート病院、セタチラート病院、ミッタパッブ病院)の代表者による会議を開催した結果、ワークショップに非常に意欲を持って参加していた。この方法は主体的な参加を促すことができたと考えている。今後の研究推進方法は、メンバー施設から1施設を選択して院内感染対策の視点で視察を実施することによって、院内感染対策上の問題についてさらに認識を深め、自施設の課題として取り組むきっかけを作って行く。さらに、ワークショップの参加者は自施設の同僚に対して伝達教育を行ってもらう計画を推進していく。 次年度の研究費の使用計画 ①2人分の出張旅費: 55万円/研究代表者および研究分担者の計2人がワークショップの評価のために現地に出向き、1週間滞在予定である。 ②研究協力者の交通費および謝金:5万円/ネットワークメンバー施設の中から1施設を選定し、施設代表者計5名と共に選定施設の院内感染対策状況を視察する。視察結果をもとにして、ワークショップ評価会議を開く。 ③ワークショップ評価会議会場使用料:1万円/会議開催1日分。 ④院内感染エビデンス調査:20万円/3施設で行う予定で、採取容器代、培養検査費、検体搬送費、対象者への謝金。 ⑤人件費:4万円/ワークショップのファシリテーターと補助者の計5名。 ⑥資料印刷費:5万円
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度ラオス国で開催したワークショップ実施にあたり、会場や参加人数の変更等に伴い、会場費や研究協力者の交通費、謝金の支払いに当初計画と少々の誤差が生じたため。 平成26年度の活動として、ラオス国のネットワークメンバー施設において、院内感染対策の視点で視察を実施、ワークショップ開催後のフィードバック等を計画しており、そのための費用にあてる。
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