2014 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける近代看護創始期の成立,発展過程に関する歴史的研究
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24593204
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 公美子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (30324213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城丸 瑞恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90300053)
奥宮 暁子 帝京科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20152431)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アメリカ近代看護史 / 看護教育 / 看護歴史的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
19-20世紀の転換期(近代)はアメリカ社会にとって激動期であり,看護システムにおいてもその形成過程にあたる重要な画期である.それはイギリスにおける近代看護システムの創始(1860)からアメリカ北太平洋地区を起点とした看護システムの形成(1873)や,アメリカ全土に拡がる看護訓練学校(Training School for Nurses)の設立へと看護教育が発展したことにも見てとれる.今年度は,主に二つの資料(視点)を分析し考察してきた. 一つめの資料は,1873年に設立された「全米慈善・矯正団体」の会議録“ Proceeding of the National Conference of Charities and Correction(NCCC)”である.本資料には第1回(1874)から第46回(1919)まで不定期だが「医療慈善活動」「病院」「看護」に関連したテーマが取り上げられており,会議の議題として検討されていた.また,二つめには,アメリカ近代~現代の看護教育者であるイザベル・ハンプトン(Isabel Hampton Robb)などの講演内容の分析である. 筆者らは今年度の研究を通じて,アメリカ近代の看護システム形成過程の背景には,戦争や経済発展などによる急激な社会変動や国民の価値観の変換,女性の社会進出と地位・役割の変化があり,それらが大きく影響していることを一次資料をもとに実証してきた.また,キリスト教の女性奉仕によるマザーハウスでの「チャリティ事業(1830~)」が看護の職業化の形成に関わった事実を述べてきた(佐藤他;2014).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H26年度は蒐集した資料の整理、分析、解釈が進まず研究結果を見出せなかった。また、予定していた国外学会での成果発表が叶わなかった。計画からは遅れており、再度、研究計画及び方針の建て直しを行い来年度に臨みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に成果として公表できなかった資料の分析を進め、今年度は国内外学会で発表を行えるよう計画を修正する。また、研究代表者と分担者の検討会議を定期的に計画していく予定である。
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Causes of Carryover |
H26年度に蒐集した資料の整理・分析が進まず、研究活動が滞った。研究分担者と代表者とのディスカッションの時間と資料の読み合わせが行えなかったことが理由である。 また、研究成果を考察する段階にあり発表には至らなかった。そのため予定していた国内外学会での成果発表のための経費を翌年に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度は、昨年度使用しなかった額を主には学会発表の旅費と、昨年度に蒐集した資料の整理、分析、翻訳補助、英文投稿の為の謝金に当てたい。
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Research Products
(2 results)