2014 Fiscal Year Annual Research Report
根拠に基づく筋肉内注射技術の確立-硬結の実態解明とそのケアを中心に-
Project/Area Number |
24593207
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (80305268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 利明 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305248)
三浦 奈都子(小山奈都子) 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (40347191)
及川 正広 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (60537009)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 基礎看護学 / 看護技術 / 筋肉内注射 / 硬結 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科領域で使用される筋肉内注射製剤に起因する硬結に関し,看護師の経験状況とその内容,および硬結に対し感じていること,考えていることを明らかにすることを目的に,質問紙調査および聞き取り調査を行った.その結果,次のことが明らかになった. 多くの看護師が硬結を経験しており,処置上の不都合を自覚,また患者の困っていた様子を感じていた.硬結の性状は,薬剤の種類による特徴があり,とくに油性の持効性注射剤に起因する硬結が大きく重症であった.看護師は,硬結に対し様々なケアを行っていたが,対峙する内容や,わからない,何もしていないとの回答もあった.自身が行っているケアによる硬結の改善の兆候は感じられていなかった.看護師は硬結が発生した患者に対し,同情や自責の念,専門職としての責務を自覚しつつも,有効性を実感できるケアを提供できておらず,硬結予防や硬結ケアに対し確かな方法を求めていたことが明らかになった. また,ラットやマウスに筋肉内注射,および比較対象としての皮下注射を行い,組織傷害の程度を観察した.その結果,皮下注射では皮下の浮腫と推測される注射部位の腫脹と同部位の発赤が観察され,筋肉内注射においては視診では判断が困難なものの,触診により筋緊張のような筋の硬度が増大が確認されるなど,異なる反応が得られた.しかし,今回の実験では,臨床で確認されるような明らかな硬結は得られなかったため,今後検討を重ね,客観的指標を用いて硬結の病態モデルを作成,硬結のケアを確立していきたいと考える.
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Research Products
(3 results)