2014 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護師の離職とストレス対処能力(SOC)に関する研究
Project/Area Number |
24593237
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
山住 康恵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 講師 (30553052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安酸 史子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (10254559)
北川 明 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (20382377)
生駒 千恵 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (60584779)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新人看護師 / GHQ / SOC / 離職 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度にSOC(ストレス対処能力)、GHQ(精神健康度)の関連等を調査する目的で質問紙調査を実施し、平成26年度に調査結果の分析を行った。 二段無作為抽出法にて抽出された15府県53施設の新人看護師556名に質問紙調査を行ない、167名分を回収した(回収率30.0%)。調査内容は基本属性、日本版GHQ-30、SOC、レジリエンス、コーピング特性とした。 分析は、GHQを従属変数とし、SOC、レジリエンス、コーピングを独立変数とする重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。 対象者の平均年齢は25.0±6.8歳で、最年少が20歳、最年長が58歳であった。性別は、男性11%、女性89%であった。GHQ-30(0-30点)の平均12.1±6.4点で、「抑うつ・神経症傾向あり」とされる精神的不健康群(8点以上)は123名(73.6%)であった。重回帰分析の結果、SOC***、レジリエンスの「肯定的な未来志向*」、コーピングの「他者を巻き込んだ情動発散**」との関連がみられた(***p<.001、**p<.01)。 GHQ-30は一般成人においては精神的不健康群が約15%と報告されている。看護師(20-60歳)を対象とした先行研究では46.2%が8点以上であり、一般成人より精神的健康度が低い傾向が認められている。本研究の対象者はさらに高く、73.6%と極めて精神的不健康な状態であった。疲労やストレスなどの蓄積により精神的不健康度が高まると考えられるため、睡眠や休息が十分取れる勤務体制の考慮が必要と考える。 SOCは、一般成人を対象とした調査(57±13点)よりも低く、ストレス対処能力が低い集団であると示唆された。SOCが低いため、ストレスコーピングが上手くいかなかった時の抑うつ感や不安感といったストレス反応として、精神的健康度が下がったのではないかと考える。
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