2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
丸山 昭子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (20338015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20299879)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護管理 |
Research Abstract |
本研究は、乳幼児を持つ女性看護師のバーンアウトの影響要因を、職場環境および育児環境、ストレスコーピングより明らかにし、看護師の離職予防や、仕事と育児を両立する上での育児支援の具体策を構築するための知見を得ることを目的としている。そのためには、ベースライン調査を実施し、すでにバーンアウトしている者を除外したコホート集団を作り、縦断研究を実施する必要がある。 平成24年度は研究計画書に則り、平成24年の6月~7月に全国の300床以上の総合病院(単科の精神病院は除く)の看護部長に予備調査を実施した。また、看護部長から研究協力の得られた23病院にベースライン調査を実施し、550人の乳幼児を持つ女性看護師から有効回答を得て、現在データの入力作業が終了し、乳幼児を持つ女性看護師の職場および育児環境、ストレスコーピング、バーンアウトの実態を明らかにするためのデータが揃ったところである。 今後は、対象者のバーンアウト総合得点の上位1/3以上のポイントをカットオフポイントとし、それ以上の得点の者をバーンアウト発症として除外したコホート集団を作り、平成25年10月まで1年間追跡する計画である。具体的には、ベースライン調査と同様の調査を平成25年10月に実施し、バーンアウトの有無を目的変数とし、平成24年度の職場環境や育児環境、ストレスコーピングを説明変数として、バーンアウトの影響要因を多重ロジスティック回帰分析で明らかにしていく予定である。この研究で、バーンアウトの影響要因が明らかになれば、乳幼児を持つ女性看護師への具体的な育児支援を構築するための知見が得られる。また、乳幼児を持ちながら離職せずに看護のキャリアを継続できれば、中堅看護師の育成にもつながり、看護師不足という社会的問題にも貢献できる等意義は大きいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、平成24年度の計画である予備調査とベースライン調査は予定通り終了し、データ入力まで済んでいる。しかし、乳幼児を持つ女性看護師の職場および育児環境、ストレスコーピング、バーンアウトの実態を明らかにするための記述統計には至っていない。統計処理は、SPSSを使用する予定であるため、記述統計を求めるにはそれ程時間を要しないと考えている。また、追跡調査を実施する平成25年10月の質問紙の発送準備(質問紙の印刷、郵送先の宛名書き、返信用封筒の準備等)を前倒しで行っているため、データを解析する時間は十分確保可能であるため、おおむね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、対象者のバーンアウト総合得点の上位1/3以上のポイントをカットオフポイントとし、それ以上の得点の者をバーンアウト発症として除外したコホート集団を作り、追跡調査する予定である。具体的には、ベースライン調査と同様の調査を平成25年10月に実施し、バーンアウトの有無を目的変数とし、平成24年度の職場環境や育児環境、ストレスコーピングを説明変数として、バーンアウトの影響要因を多重ロジスティック回帰分析で明らかにしていく予定である。 その結果をもとに、平成26年は乳幼児を持ちながら働き続ける女性看護師の育児支援を構築するための具体的な知見を考察していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、これまでの研究結果を看護の学会で発表し、公表すると同時に他の研究者から研究をさらに発展させるためのアドバイス等を得る機会を数回持ちたいと考えている。また、国内に留まらず海外の学会でも発表し、グローバルな視点でのアドバイスや意見を得たいので、海外の学会に研究費を使用して参加する予定である。 また、本研究は影響要因を明らかにする研究のため、追跡調査が不可欠である。したがって、当初はベースライン調査と1年後の調査は、無記名として生年月日と病院名で個人の照合をする予定であった。また、病院での留め置き法で質問紙を回収する予定であった。しかし、所属大学の倫理審査にて対象者の同意書を求め、郵送法にした方が倫理的であるとの指摘があり、それに沿って修正した結果、研究対象者が予想していたよりもかなり少数となってしまったという現状にある。ベースライン調査での対象者550名というのは、統計解析で信頼性・妥当性を獲得する上で確保したい数である。そこで、平成24年度、後納郵便の予定額がかなり下回ったための残額がかなりあるということと、今後これらの対象者の追跡調査で脱落者を少なくするためにも、図書券等(1,000円)の謝金を計上したいと考えている。 平成25年度は、これらの対象者への質問紙発送代金、返信用の後納郵便代金、データ入力(業者委託)、上述した海外での学会参加費、参加者への謝金等で研究費の使用を計画している。
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