2013 Fiscal Year Research-status Report
肥満皮膚障害における薬理学的アプローチからの適正な与薬方法の確立
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24593252
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 敬 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00359613)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
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Keywords | 看護学 |
Research Abstract |
1)研究計画⑥:24年度に減量による肥満改善で皮膚障害は改善できるかについて検討したが、HE染色において表皮真皮層の形態および炎症についての評価にとどまっていたが、25年度は真皮直下の皮下脂肪層に着目し評価をしたところ、40%セルロース混餌群、つまり減量すると、マクロファージ花冠状配列様の組織像の減少や、肥大化した脂肪細胞の減少、大小不同の改善など形態学的改善が観察され、皮下脂肪層における炎症状態が改善していることが示唆された。また、真皮層においてElastica van Gieson染色を行い、さらに詳細に検討した結果、肥満に伴い膠原線維の蛇行性の低下や弾性線維の増加、断片化が観察され、減量により膠原繊維の蛇行性の低下に対して、抑制傾向が示唆された。 2)研究計画②④:抗肥満および抗酸化の両効果を伏せ持つ素材として、新たにKP(Kaempferia parviflora)に着目し、肥満マウスにKPを2か月間服用させその効果を確認した。抗肥満効果については体重および内臓脂肪量・皮下脂肪の減少が示された。皮膚については、肥満による皮膚障害は潜在性の炎症状態であるため、組織学的所見においては明らかな炎症所見やKP投与による変化は確認できなかったが、Cox2、Hmox1の遺伝子解析により、皮膚において炎症や酸化ストレスが減少していること示唆された。また肥満および皮膚の酸化については予防的に0.3%KP経口投与により抑制できることが明らかになった。今後、肥満の皮膚障害に対する予防ケアに応用できる可能性が見いだせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TSOD肥満モデルマウスを使用し減量させると、肥満の進行が抑制され、皮下脂肪における炎症所見や真皮の膠原繊維の蛇行性の低下に対し、予防的に作用することが示唆された。 また、肥満の皮膚障害に対し、全身的および局所的に両方に作用するKP(Kaempferia parviflora)が抗酸化療法の素材として有用であることが見い出されている。 目的に対し研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度 研究計画④において全身的療法の確立はできたが、よりKP(Kaempferia parviflora)の有効な投与量、投与方法を検討する。またKP投与による皮膚への潜在的な炎症に対する効果についてさらに詳細に検討する。 平成27年度 研究計画③⑤においてKPの局所療法および局所および全身療法の組み合わせによる効果に対し検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究施設変更により、新しい研究施設にて研究の成果、進行に合わせ機器の整備(平成25年度は凍結破損装置を購入した)を行ってきたため、次年度繰越金が生じた。 平成26年度はマウス、組織・遺伝子解析消耗品として1,000,000円、論文投稿用英文校正代100,000円を予定している。
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Research Products
(6 results)