2014 Fiscal Year Annual Research Report
高校生が家族に行う「災害外傷予防教室」の教育プログラム開発
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24593253
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小島 善和 東海大学, 健康科学部, 准教授 (60215259)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 災害外傷予防 / 高校生 / 予防教育 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
災害時に、被災地域の高校生が、自らが受傷しないための能力と家族を救護する能力を身に付けるための教育・訓練を災害外傷予防教室として合計6回開催し167名(男性:42名,女性:125名)の参加者があった。 災害の原因としては、地震と津波、浸水を想定し、災害による外傷の特徴と予防に対する知識の獲得に加えて、発災前から復興期までの外傷予防対応をシミュレーション下での体験学習と一次救急処置法のグループ学習で実施した。参加者には、防災と減災の中心的課題である災害に伴う健康障害を回避あるいは軽減をするための対策について学習の機会を提供した。特に、外出先では、状況を把握して、周囲の人たちとコミュニケーションを取りつつ、援助を待つ体験学習が参加者より高い評価を得た。また、発災前、発災時、発災直後から復興時の健康障害は、外傷ばかりでなく、慢性疾患の増悪や感染症もあり、慢性疾患を持つ人たちへの対応や感染予防についても講義をした。 東日本大震災以後に、自助、互助、共助、公助の考えを周知する働きかけが行政によって行われるようになったが、高校生はその違いが明確でない状況にあり、参加者に外傷予防教室での学びを家族に伝えられるかを質問したところ、90%以上の生徒は消極的な反応であった。その理由は、参加者の75%を女子が占め、無記名の授業評価では参加理由の80%が医療系大学への進学のための体験学習を意図していたことによると考えられた。また、無記名アンケートでは、参加者が抱く外傷の原因は、交通事故や災害よりも、友人や知人同士のいじめや悪ふざけによる外傷・傷害に関心が高かった。 以上の結果から、身近な出来事への対応を外傷予防の視点から学習し、家庭や学校・地域の災害や交通外傷の予防教育に広げていく方略が有効であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)