2013 Fiscal Year Research-status Report
災害における喪失(死別および行方不明)に立ち向かう被災者を支える看護の検討
Project/Area Number |
24593259
|
Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
小林 祐子 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 准教授 (20303232)
|
Keywords | 災害看護 |
Research Abstract |
平成24年度の文献検討を基に、災害時のグリーフケアに関する現状と課題を検討するために、災害支援の経験のある看護職を対象に調査項目設定のための聞き取りを行った。継続したグリーフケアについては詳細がわからなかったため、継続支援を行っている保健師とグリーフケアの研究者からのスーパーバイズを受けて、調査内容を検討した。 県内外で災害時にボランティアを派遣した医療施設を通じて、災害支援の経験のある看護職と避難所運営および災害後の継続支援を行っている保健師を対象にした量的調査を勧めており、26年度に発表予定である。 また、災害死別した遺族を対象とした質的調査では、研究者の知人の紹介で1名の参加者にインタビューを行い、グリーフや周囲へのニーズなどを分析している段階である。 所属施設でのネットワーク環境を利用して、グリーフケアに関するサイトを立ち上げ、メールや電話相談、看護職への研修の準備を整えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度に予定していた計画のうち、援助者を対象にした量的調査の準備に時間を費やしたことが、影響を及ぼした。調査項目の検討のために、国内の複雑性悲嘆や災害時の遺族対応に関する研修会に参加することで知見を得られたが、実施に向けた交渉等に時間を要した。そのため、量的調査の結果をまとめるまでに至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は平成25年度の調査を引き続き行い、災害におけるグリーフケアに関して、質的・量的研究に基づいた結果をもとに、災害時に関するグリーフケアの現状と課題についてその成果を看護系の研究学会等で、公表する予定である。 平成25年度に十分に進められなかった遺族を対象とした質的調査では、継続してインタビューを実施していく。時間経過とともに変化していくと考えられる遺族の思いを、病気や自死による日本人を対象にした死別悲嘆に関する先行研究と比較し、死別した被災者に必要なケアを抽出する。国内で発生した大規模災害におけるグリーフケアの研究報告や遺族の手記などを再度概観し、グリーフケアの専門家のスーパーバイズを受けながら冊子の内容妥当性を確認し、ホームページ等を利用した啓蒙活動を行っていきながら、長期的な視点に基づいた看護のあり方を検討し、評価していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた計画のうち、援助者を対象にした量的調査の準備に時間を費やしたことにより、関係する統計処理等の費用を処理することができなかった。 平成26年度は、援助職を対象にした調査から得られた結果を看護系の研究学会等で公表する費用とともに、スーパーバイズを受けながら、各調査の処理の費用の支出、質的調査の謝礼およびデータ入力に関する予算を予定している。 また、これまでの研究によって得られた成果を災害看護やグリーフケアの専門家のスーパーバイズを受けながら内容妥当性を確認し、パンフレットの作成とホームページの更新のための支出を予定している。
|
Research Products
(1 results)