2014 Fiscal Year Annual Research Report
災害における喪失(死別および行方不明)に立ち向かう被災者を支える看護の検討
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24593259
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Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
小林 祐子 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 准教授 (20303232)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 災害看護 / グリーフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの調査をもとに、あいまいな喪失を含めた災害におけるグリーフケアに関して災害急性期からの看護職の支援について検討を行い、遺族支援の充実のために災害時のグリーフケアに関する冊子を作成した。 昨年度に実施できなかった被災地等の看護職への調査から、先行研究と同様に支援が必要な対象者には心理専門家との連携を図り、避難所や仮設住宅巡回時のリラクゼーションやリクレーションの場、体調把握時の機会など、日常の援助を通した関わりの中で遺族の語りを聴くなど取り組みがされていた。 また、看護職も災害慢性期にかけての長期的な支援の必要性は認識していたが、遺族のわかちあいの会の支援などは一部にとどまり、心理的な負担やネットワークが充実していないなど、災害急性期から継続して遺族に関わる困難さがみられた。今後は、災害看護分野でも急性期からの遺族支援を充実させるために、グリーフケアに関する知識や技術を向上させるための教育研修体制の強化が必要であると示唆された。 また、災害時のグリーフケアに関する冊子の作成では、震災の経験者および被災者支援の経験のある看護職の調査で得られた結果から、悲嘆反応、悲嘆プロセスなどを内容に含めた。遺族の調査結果も考慮して、冊子の試案を作成した。作成過程では、災害看護の教育者と共に内容を検討し、修正を加えたサンプルの冊子を用いて、災害支援ナース、グリーフケアに携わる看護職に確認し、研修会の際に配布できるように整えた。
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Research Products
(1 results)