2012 Fiscal Year Research-status Report
ジェネラリストナースの管理調整機能の全体像を明らかにする
Project/Area Number |
24593263
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
久米 龍子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (20363913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 和興 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (40153358)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 管理調整機能 |
Research Abstract |
医療現場で働く看護師の大部分が該当するジェネラリストナースは、病棟や外来等の医療現場において、医療専門職の良好な連携を図り、医療現場で発生する種々の問題解決を図るために重要な管理調整機能を発揮していると考えられている。しかし、その機能の実態については研究がなされておらず、具体的内容で構成された全体像は不明である。本研究は、聞き取り調査と、その結果をもとにした調査票による全国的な調査から、ジェネラリストナースの管理調整機能の全体像を明らかにすることを目的としている。 今年度は、医療現場において看護師が直面している職務遂行上の問題とその解決方法について,ジェネラリストナース(病棟看護師)からの聞き取りによる実態調査を実施した。実施にあたり、病院長へ文書で調査依頼を行い、協力してもらえる病院の看護部長を訪問して調査の手順等について直接説明や聞き取りのスケジュール相談等を行った。聞き取り調査では、各看護師に対し、調査説明文書を渡し、調査協力についての同意書への署名押印をいただいた。聞き取りは各看護師より約1時間程度で、メモをとらせてもらいながら実施した。メモをもとに聞き取りの内容を文書化し、それを内容確認のために本人に郵送した。文書は内容確認および必要な修正を加えてもらって返信してもらった。この聞き取り調査から得られたデータは、ジェネラリストナース達から直接得られたデータである点で非常に貴重であり、看護師が行う管理調整機能を項目分類をするための基礎データとなるものである点で重要である。また、次年度は、全国的な調査によって管理調整項目の妥当性および管理調整上の問題とその解決策について統計的なエビデンスを得る計画であるが、その全国調査において使用する調査票の内容の基本となるものであるという意味でも重要性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は看護師が日常遭遇している対応に苦慮する種々の管理調整上の問題とその解決方法について、愛知県内の病院に勤務する看護師から聞き取り調査を実施する計画であった。学内倫理委員会にて倫理申請を行い承認を得た後、実施計画に従い、平成25年2月に1か月間かけて愛知県内の一般病床200床以上の病院において聞き取り調査を実施した。聞き取り調査から得られたデータの分析と項目分類およびそれにもとづいた全国調査用の調査票作成については、現在進めているところである。 以上によりおおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度の聞き取り調査による項目分類をもとにして、調査票を作成し、全国アンケート調査を行い、看護師の管理調整機能の実態に関する大規模データの収集を行う。全国アンケート調査に関しては、調査対象リスト作成、調査依頼文書作成・依頼文書・調査票発送・調査データの分析・アンケート調査結果報告書作成・調査協力施設への報告書郵送・成果発表などを順に進める。 平成26年度は、全国調査から得られたデータの統計解析を行い、看護師が日常的に遭遇する管理調整機能上の問題とその解決策の統計的エビデンスを得る。さらに27年度に協力病院で試用するための管理調整機能表について、表全体のレイアウトの検討と表の具体的な使用方法の検討を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度未使用額は、看護師に対する聞き取り調査の実施完了が当該年度末までかかったことに伴い、支出終了も年度末となったことにより生じたものである。 次年度の研究費は、主に全国アンケート調査に伴う郵送費、消耗品の購入(郵送用封筒、切手、ラベルシート、プリンタ用インクカートリッジほか)、調査結果の分析に使用するためのノート型パソコン、スキャナー、OCRソフト等の購入および保守サービス費用、参考図書の購入、打ち合わせ旅費、成果発表や学会参加のための旅費、参加費などに使用する予定である。
|