2013 Fiscal Year Research-status Report
看護職配置に関する看護トップマネジャーの意思決定要素分析に基づく算定モデルの構築
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24593265
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
阿部 祝子 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (40575693)
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Keywords | 看護職配置数 / 意思決定要素 / 手がかかる度合い |
Research Abstract |
調査協力施設として予定した8施設について,平成24年度に予定していた6か月分のデータに基づく看護職配置数の計算結果を,トップマネジャーとミドルマネジャーに示し,インタビュー調査を実施した.いずれの施設でも各病棟の特徴は読み取れるという意見が出された. さらに新規入院患者数以外に,看護職配置数算定に係わる意思決定要素を示してもらい,それらを含めた 2か月分のデータの提供を受けた.複数の意思決定要素について,手がかかる度合い(S)を1.0~2.0の範囲で設定した.全病棟における各病棟の各要素の比率を求め,全要素に等しく手がかかる度合いを乗じて,看護職配置数を計算した.それをトップマネジャーとミドルマネジャーに提示し,インタビュー調査を実施した.その結果,実際の看護職配置数と計算結果を比較すると,実際の看護職配置数が計算結果の範囲内に入る病棟とそうでない病棟があった.前回のインタビュー調査で示された意思決定要素の影響の度合いがマネジャーのイメージと異なっていたり,データ収集の段階で,各病棟間でそれらの要素についての共通認識がなされていないという意見があった. そこで,提供された2か月分のデータに必要データを追加したり,新たにデータ収集し再度計算後にインタビュー調査を行うことになった.また,看護職配置数を考慮する各要素の手がかかる度合いについて,マネジャーはイメージするのが難しく,予め意思決定要素別に手がかかる度合いを変えて計算し,その結果を示した上でインタビュー調査を実施することになった.なお,研究協力施設8施設中の1施設については,複数の意思決定要素を含めたデータ提供が遅れ次年度持ち越しとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,看護職配置に関する看護部門のトップマネジャーの意思決定プロセスに焦点をあて,意思決定の要素とその関与の度合いを解明し,看護必要度と組み合わせて看護職配置の算定モデルを構築することである.本研究では,フィールドワーク技法を活 用し,トップマネジャーの知恵や勘という暗黙の基準で意思決定されてきた看護職配置に関して,その要素とその関与の度合いを解明するためにフィールドワーク技法を用いる.研究の進め方は,①看護職配置の際の判断基準となる要素に関するトップマネジャーへの インタビュー調査,②現在の看護職配置の満足度と看護職配置に関する意向に関するミドルマネジャーへのインタビュー調査,③両者を関連づけ看護職配置に関する意思決定要素とその関与の度合いの重層的な分析,④看護必要度と看護職配置に関する意思決定要素を 組み合わせた看護職配置の算定モデルの構築という,4つの段階で計画した. 現在,①と②の調査を終了し,③の意思決定要素とその関与の度合いを確定する段階に入っている.インタビュー調査において,マネジャーがイメージしにくい要素とその関与について,提供されたデータの計算結果を示し説明することでイメージしやすくなり,インタビュー調査ではさまざまな側面からの意見が出されるようになった.現段階では施設ごとの要素について調査しているが,研究協力施設全体での共通性と個別性について検討し,最終目的である④算定モデルの構築に向けて取り組む予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在第2回目のデータ提供を待っている1施設について,他の7施設と同様にデータに基づく計算とインタビュー調査を実施する.その後は他の7施設とあわせて,新たにあるいは追加で提供されたデータの計算とインタビューを繰り返し,意思決定要素を確定しその関与について明らかにする.そして,それらに基づいて看護職数算定モデルを試作し,評価・修正し,完成させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度までの研究計画はほぼ順調に進んでいるが,提供されたデータに基づく看護職配置数の算定方法の検討に予想以上に時間を要した.そのため,研究協力施設との日程調整当もあり,結果を示し検討するインタビュー調査の実施回数が,少なくなってしまった. 意思決定要素を確定しその関与について明らかにするインタビュー調査を繰り返し実施するための旅費,宿泊費用として使用する.また,算定モデルの作成のために連携研究者からアドバイスを受けて試作・改善するための旅費に使用する.インタビュー調査では看護職配置数の計算結果,算定モデルの操作マニュアルの作成等,印刷関係の費用として使用する.さらに,研究の中間成果,最終成果を発表するための学会参加及び論文投稿のための費用として使用することを予定している.
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Research Products
(2 results)