2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高谷 嘉枝 福岡大学, 医学部, 教授 (60304119)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 変革型リーダーシップ / 看護師長 / 看護管理 / モデル開発 |
Research Abstract |
本研究は、医療の実践現場における看護師長のとる変革的リーダーシップモデルの開発を目的としている。 平成24年度は、実践現場における変革的リーダーシップに関する文献検討を行い、日本における変革的リーダーシップ尺度案作成段階のうち質問項目の抽出・作成に取り組んだ。尺度案を考案する上で文献検討の結果を基礎資料とし、変革的リーダーシップの特性 (Bennis & Nanus,1985)などをもとにインタビューガイドを作成した。尺度の評定については、師長によるリーダーシップの自己評定が高い傾向にあるとされるため部下である看護師の認知の評定を用いることとした。 変革的リーダーシップ尺度案の質問項目の抽出・作成 近年、高度複雑化する医療の現場において、看護の質保証や改善に努めている300床以上の一般病院を選定した。対象は、関東、近畿、中国地区の計5病院で研究に同意が得られた看護スタッフ及び主任の計22名であった。研究方法は、インタビューガイドに基づき看護師長のとる変革的リーダーシップについて半構成的面接を実施した。現在データ分析中であるが、看護師のキャリアの長さによって師長のリーダーシップをとらえた内容が大きく異なることや主任のようにリーダ―シップをより具体的にとらえている内容からは師長の高い学習意欲や師長の試練を乗り越えてきた経験、師長が肯定的な自己観をもち創意工夫をこらした行動をとっている内容などが見出されている。さらに師長の看護師としての一貫した自負ともいえるような自信・誇りがとらえられる。これらのことからも本研究のデータには、変革をもたらす行動の他に変革的リーダーシップを構成する重要な内容が示唆されていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の当初計画は、内容妥当性の検討とパイロットスタディによる表面妥当性の検討を行う予定であったが、これらに取り組めなかった。その理由は、半構成的面接のデータ収集に予想以上に時間を要したためである。看護スタッフを対象とした半構成的面接において看護スタッフは平素から師長のとる変革的なリーダーシップをあまり注目したことがなくデータとして十分反映されていないケースがあった。また主任は、看護スタッフよりも師長のとる変革的なリーダーシップを経験し観察していたが、病院によってもデータの内容に偏りがみられたため、データ数を重ねる必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に継続して内容妥当性の検討とパイロットスタディによる表面妥当性の検討を行い、プレテストにおいて質問項目の精錬後、本調査を実施する。 1. 内容妥当性の検討は、実践現場の師長、看護管理領域の研究者等、研究参加に同意を得られた6名程度による検討を行う。また、専門的立場からの助言も依頼する。 2. パイロットスタディは、関東、近畿、九州地区の研究参加に同意を得られた看護スタッフ20名程度とし表面妥当性の検討を行う。 3. プレテストは、近畿、九州地区の病院4ヵ所の研究参加に同意を得られた看護スタッフ200名程度に対し無記名による質問紙調査を実施し、質問項目の精錬を行う。 4. 本調査は、北海道、関東、近畿、九州、沖縄地区の病院10ヵ所の看護スタッフ2,000名程度とし、無記名による質問紙調査を行う。データ処理、書類整理などは、アルバイトを採用し対応する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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