2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24593270
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
高谷 嘉枝 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (60304119)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 変革的リーダーシップ / 看護師長 / 看護管理 / モデル開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.尺度の項目案の作成、選定、対象者の選定:変革的リーダーシップの質問用紙を作成し、項目案57項目を選定した。質問紙の有効回答数は、556(回収率42.1%)であった。基本属性は、平均年齢が、36.8歳で、平均経験年数は15.9年であった。2.尺度の開発:1)項目の選定:項目案57項目に欠損値がない556をデータとして用い、項目の回答分布は、3.どちらかといえばそう思うが最も多かったが90%以上の項目はなく、天井・床効果はなかった。G-P分析では、全項目で上位群の平均値が有意に高値であったが、項目案57項目間の相関をみるとr=0.6以上の相関があったペアがあり、ペアのいずれかを選定し内容を確認しながら38項目を選定した。2)探索的因子分析による尺度の作成:探索的因子分析を行い、因子数をみた。抽出された3因子は、第1因子を、配慮ある心くばり(11項目)、2因子を変革への意欲の支持(13項目)、第3因子をビジョンによる変革の推進(11項目)と命名した。3.妥当性の検討:構成概念妥当性は、抽出された3因子が、想定した構成概念と比較して分散していた。基準関連妥当性は、併存妥当性を検討するため「職務満足尺度」(撫養,2014)と「組織コミット」(高橋, 1997)の2尺度と「変革的リーダーシップ」の相関をみた。「職務満足尺度」の下位尺度とは、r=0.41、0.78、0.51、0.42であり、「組織コミット」の下位尺度とは、r=0.47、0.11、0.28であった。4.信頼性の検討:内的一貫性は、変革的リーダーシップ尺度全体のCronbach α係数が、0.98で、第1因子から第3因子まで順に0.94、0.95、0.95であった。5.考察:本調査において妥当性は、構成概念と異なる因子が抽出されたが、臨床現場における本尺度の特徴が確認され、再検討する必要があると考える。信頼性は、0.9以上で十分な内的一貫性を有していた。今後、本尺度をもとに洗練のためにデータを追加する必要がある。
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