2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
渡邊 智恵 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (00285355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西上 あゆみ 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (30285324)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 災害看護 / 東日本大震災 / 外部支援 |
Research Abstract |
本研究は、東日本大震災のような大規模で広域にわたる災害時における、外部支援のあり方(支援の入り方や終結の仕方)について実態調査し、今後の外部支援の構築や連携および終結に関する示唆を得ることを目的にしている。研究方法は、1年目に受け手側と外部支援者側と双方から聞き取り調査(半構成式)を行い、課題や教訓を明らかにした後に、2年目に災害看護や医療のエキスパートによる精錬を行い、3年目には今後に生かしていくガイドラインの作成を行う。このことにより、今後起こりうる大規模災害時の円滑な支援活動(外部支援の受け上手、入り上手となるコツ)に寄与する。 平成24年度は、研究1年目で、6月に研究倫理審査を受けて、11月~翌年の3月にかけて研究分担者と調整しながら、東日本大震災時の外部支援の受け手側と外部支援者側と双方から聞き取り調査(半構成式)を行った。 結果は、外部支援者側7組織、受け手側6組織の計13組織から聞き取り調査をすることができた。性別は、男性1名で女性12名で、平均年齢は55歳(受け手側の平均年齢は46.7歳で、外部支援者側の平均年齢は58.1歳)であった。インタビューは最大85分と受け手側であり、全体の平均のインタビュー時間は63分である。外部支援の受け手側は、組織として支援を受けることを決定したところが1組織のみで、あとの5組織は決定していない、あるいは不明な状況で外部支援を受けていた。その一方で、外部支援者側は全ての組織が組織的な外部支援を派遣するように決定していた。それぞれのインタビュー内容についての検討を今後おこない、詳細の分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎月、研究分担者との定期的に会議を開催し、研究計画の予定通りに研究倫理申請を行い承認を得ることができている。実際のインタビューの実施については、受け入れ側との調整をしながら、11月~翌3月にかけて実施し、それぞれに5施設以上から調査することができており、これについても計画通りである(当初予定はそれぞれに5~10施設)。ただ、インタビュー実施期間が長期になり、昨年度内での計画である分析が出来ていないことが反省点としてある。インタビュー期間が長くなった理由は、受け手側の協力が難しく、当初予定から、さらに研究対象者の枠を広げて再アプローチをしたことで時間を要したからである。また、発災から2年を経た3月11日をはさんでイベントがたくさんあり、最後のインタビューが3月24日に実施したこともあり、調査期間がかなり長くなってしまった。しかしながら、調査協力をしていただく組織の状況を尊重した対応であると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究では、インタビュー調査で被災地までいかず、出張されている東京でインタビューを実施したこと、調査日程はでできるだけまとめて実施できるように調整したこと等により、平成24年度予算の一部を平成25年度予算に組み入れることが出来た。 今後は次のようにして研究を進めていく。 平成25年度4月~8月まで:毎月の研究会議の開催により、これまでに実施したインタビューデータの分析を行い、受け手側の実際の活動と課題、外部支援者側の実際の活動と課題を明らかにする。 平成25年10月~11月:研究倫理審査を受ける。 平成25年12月~3月:災害医療や災害看護の専門家からの意見をいただき、分析結果を精錬する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2年目は、平成24年度に実施した受け手側および外部支援者側からの実際の活動から課題を見出したものを研究者内で分析を行う(4-8月)。その後、より妥当性を高めるために、災害医療や災害看護の専門家から意見をうかがい、精錬をする(12月~翌3月)。 対象は、災害医療や災害看護のエキスパート(災害基幹病院の災害看護担当者、大学で災害看護専攻の修士課程担当教員等)で本研究の趣旨に賛同してくれた方である。 方法は、フォーカスグループインタビュー(FGI)調査あるいは個別の聞き取り調査のいずれかとする。時期は、平成25年12から翌年の3月の期間で実施する。場所は、FGIの場合は日本赤十字広島看護大学あるいは梅花女子大学のいずれかとする、個別の聞き取り調査の場合は協力施設に出向く。
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