2013 Fiscal Year Research-status Report
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24593272
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
渡邊 智恵 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (00285355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西上 あゆみ 梅花女子大学, 看護学部, 准教授 (30285324)
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Keywords | 災害看護 / 外部支援 / 大規模災害 |
Research Abstract |
本研究は、東日本大震災のような大規模で広域にわたる災害時における、外部支援のあり方(支援の入り方や終結の仕方)について実態調査し、大規模災害時における今後の外部支援の構築や連携および終結に関する示唆を得ることを目的にしている。 1年目に受け手側と外部支援者側と双方から聞き取り調査(半構成型)を行い、課題や教訓を明らかにした後に、2年目に災害看護や災害医療のエキスパートによる精錬を行い、3年目には今後に生かしていくガイドラインの作成を行う。このことにより、今後起こりうる大規模災害時の円滑な支援活動(外部支援の受け上手、入り上手となるコツ)に寄与する。 2年目であった平成25年度は、1年目の聞き取り調査(17名)および文献検討を基盤にして、「外部支援の上手な受け方・支援の仕方」のガイドラインを作成した。その骨子案をまとめた資料を作成し、これまでの災害で、外部支援を受けた組織(受け手側)と、実際に被災地で活動をした支援者側(外部支援者側)の両方の経験を持つ災害看護の実践者あるいは研究者を対象に、ガイドラインの過不足や修正点などについて調査していった。ガイドラインは、「先行要件」「実際の支援」「支援の評価」という枠組みで、受け手側と外部支援者側の双方について検討をしていった。精錬をするための対象者は、4名で全員女性で、平均年齢は61歳であった。枠組みについては理解を得られたが、具体的な外部支援の受入や派遣については、さらにマネジメントの視点を追加すること、また、外部支援者のマナーの重要性や撤退の時期についての表現については更なる精錬が必要となること等の意見をいただいた。ガイドラインについては、柔軟に対応するための考え方を示す事が必要であり、あくまでもその時の現場判断ができるように人材育成をする必要であると示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年間にわたっており、1年目に受け手側と外部支援者側と双方から聞き取り調査(半構成型)を行い、課題や教訓を明らかにした後に、2年目に災害看護や災害医療のエキスパートによる精錬を行い、3年目には今後に生かしていくガイドラインの作成を行う計画である。 平成24年度計画していたインタビューの実施が年度末にかけて17名の対象者にできた。平成25年度は、ガイドラインの作成を行い、同時進行で6月に研究倫理委員会の審査を受けて、その後にガイドラインを精錬するためのインタビュー4名を実施できている。そのため、当初の計画通りにほぼ実施できていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ予定通りにすすんでおり、3年目には、2年目にいただいた意見を基にして、さらに文献検討をしていき、大規模災害が発生した際の受け手側、外部支援者側が活用できるガイドラインの作成を行い、これまでに協力をいただいた組織等に還元をしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度はほぼ予定通りであるが、聞き取り対象者となる人たちが、少なかった。それは、外部支援を受けたことがあり、なおかつ外部支援を実施したことがある実践者や研究者自体が少なかったためである。さらに、予定を調整できたので、一度にインタビューの実施が可能となったために経費が削減できたことが大きい。 次年度は、ガイドラインをさらに精錬するために、聞き取り対象者を追加することができれば継続していくことと(旅費等やインタビューデータの入力費用等)、ガイドラインの詳細版と簡潔版との二つのガイドラインを作成する(その他の経費)ようにして、実際の災害救援活動時にも容易に活用してもらうようにしていきたいと考えている。その費用として繰り越した経費を活用していく予定である。
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Research Products
(1 results)