2012 Fiscal Year Research-status Report
変形性膝関節症患者のQOL向上を目指したセルフマネジメントプログラムの構築
Project/Area Number |
24593296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷村 千華 鳥取大学, 医学部, 准教授 (90346346)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / セルフマネジメント / QOL |
Research Abstract |
目的1.共分散構造分析を実施し,セルフケア能力尺度(SCAKOS)を構築した.SCAKOSは「セルフケア能力」を二次因子,「自己の状況に関心を持ち把握する力」,「療養法を遵守し継続していく力」,「関節への負担軽減のために生活の仕方を調整する力」,「病状悪化予防のために能動的に情報・方略を取り入れていく力」,「有効な支援を希求し活用する力」の5因子を下位因子とする二次因子モデルであり,信頼性・妥当性も確保された.セルフケア能力の特徴として,高年齢である者(75歳以上),女性のセルフケア能力が高いことが示された.また,生活上の困難を強く感じている者ほどセルフケア能力が高かった.下位因子では,片膝よりも両膝OAの者が有意に「関節への負担軽減のために生活の仕方を調整する力」が高く,BMI22未満の者よりも25以上の者の「療養法を遵守し継続していく力」が有意に高かった.セルフケア能力とwell-beingとの関連は認められなかった.セルフケア能力が高まればwell-beingが高まるかどうかの検証は,今後縦断研究を実施し検証する. 目的2.膝OA患者への運動プログラムを含んだ患者教育プログラムのRCTに関する文献レビューを行った.PubMedでは, 「Exercise therapy」「knee osteoarthritis」をキーワードに検索し,157件ヒットした.また,「self-management or self-care」「knee osteoarthritis」で検索した文献は全て上記157件に含まれていた. そのうち超音波や鍼,温罨法などが中心としたプログラム,RCTではないものを削除した結果88件を分析対象とした.現在,対象者,介入場所,デザイン,分析方法,介入期間,介入内容,脱落率,アウトカムを整理している.今後,膝OA患者へのプログラムの効果,課題を明らかにする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的1.の論文化,学術雑誌への投稿および「Arthritis self-management program」の翻訳作業に時間を要し,目的2.の開始が遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
膝OA患者を対象とした運動プログラムや患者教育プログラムのRCTに関するシステマティックレビューを推進していく.対象文献のレビューを行い,対象者,介入場所,デザイン,分析方法,介入期間,介入内容,脱落率,アウトカムを整理し,膝OA患者へのプログラムの効果,課題を明らかにする. Arthritis self-managemant program(Lorig,2000)の翻訳を実施し,セルフマネジメントプログラムを構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・システマティックレビュー,メタアナリシスの分析方法に関する書籍の購入 ・システマティックレビュー,メタアナリシスの分析方法に関する研修 ・Arthritis self-managemant program(Lorig,2000)の翻訳 ・セルフマネジメントプログラムに用いるBOOKLETの作成 次年度使用額(59,829円)が発生した理由は,購入予定のipadの生産・納品が間に合わなかったため,平成25年度の購入に変更した.
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Research Products
(2 results)