2013 Fiscal Year Research-status Report
生体モニタリング評価を通じた重症心身障害児における治療効果判定
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24593306
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
新川 哲子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30619482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 直美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 講師 (00420638)
高村 昇 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (30295068)
古賀 幹敏 活水女子大学, 音楽学部, 准教授 (60341591)
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Keywords | 重症心身障害児 / 音楽療法 / 心拍間隔変動 / 臨床的所見 |
Research Abstract |
本研究の目的は、心電図機能を用いた心拍間隔変動モニタリングによる自律神経系の客観的評価を通じて、重症心身障害児における音楽療法の有効性を検討することである。 1.平成24年度は、音楽療法を受けている重症心身障害児6名(症例群)と年齢・性別をマッチングさせた健常者(対照群)を選定し、音楽療法実施前・中・後の自律神経系の変動を小型モニタリングチップを用いて評価した。分析の結果、心拍間隔変動モニタリングは重症心身障害における音楽療法の有用性についての客観的評価ができると判断した。その結果を論文としてまとめ、2012年にTohoku J.Exp.Medに投稿し採択された。 2.平成25年度は、平成24年度の症例群に対し、研究分担者の古賀により音楽療法を継続して行った。さらに、症例群6名に2名を加え、足浴の客観的評価を、小型モニタリングチップを用いて評価した。その結果、個人差はあるが足浴で副交感神経が抑制されることが実証され、心拍間隔変動モニタリングは重症心身障害児における足浴の効果についての客観的評価ができると判断した。その結果を論文としてまとめ、2014年に Life Sci Jに採択された。現在、音楽療法を受けている児は10名いる。その中で2名の臨床所見として変化が表れている。①音楽療法時に大きな声をだすようになった。②音楽療法時、「こんにちは」「ばいばい」などの単語のやり取りができるようになった。③音楽に合わせて体を動かすようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、重症心身障害に対する音楽療法の有用性を客観的に評価することである。現在、症例数は少ないが、音楽療法の効果は平成24年度に実証できた。 さらに、客観的に評価する方法として、心拍間隔変動モニタリングで小型モニタリングチップを用いている。足浴の効果についても、音楽療法と同様に実証することができ評価の方法は妥当であると判断できた。 本研究を開始後2年が経過し、音楽療法を同じ実施者、同じ方法で行っており、臨床所見として明らかな変化が見られている。音楽療法の成果であると考える。最終年は、その変化を客観的に評価できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.音楽療法を継続している重症心身障害児10名(平成24年度より4名追加)の調査を行う。 2.平成24年度との変化を比較検討する。 3.結果を論文としてまとめ学会に発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額が発生したのは、成果発表としての旅費が不要となったためである。論文ととして採択されたため、学会発表を行っていない。 26年度は最終年度でもあるため、論文投稿はもちろんであるが、国内外での学会発表を行う予定である。そのための旅費に充当する。
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Research Products
(1 results)