2013 Fiscal Year Research-status Report
緩和ケア病棟に従事する看護師への支援体制の構築と評価
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24593309
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
広瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80258889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二渡 玉江 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (00143206)
中西 陽子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50258886)
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Keywords | 緩和ケア |
Research Abstract |
本研究の目的は、緩和ケア病棟に初めて従事する看護師が、緩和ケアの実践を通して抱える不安やストレスフルな問題状況の変化について、継続的なプロセスを明らかにし、緩和ケア病棟に従事する看護師の支援体制の構築に向けた試案を作成し評価することである。今年度は、勤務後3年を経過する看護師を対象に実践を通して抱える問題状況を把握することを目的に、面接調査の結果を分析した。その結果、緩和ケア病棟開設後、看護師は緩和ケアとして何をすれば良いのか自問自答する中で<緩和ケアの意味を模索>し、特に<スピリチュアルペインの表出に対する戸惑い>を捉えていた。その状況下で、<コミュニケーション技術の研修の学びを実践することによるケア効果の実感><ケア内容に対する自己評価>を認めた。2年目以降、<緩和ケア病棟の位置づけと認識不足による病棟選択に対する疑問><ギアチェンジに対する医療職者の自覚の必要性>等の問題を捉えていた。以上の結果から、緩和ケア病棟に初めて従事する看護師は、これまでの経験と緩和ケアの戸惑いの中で、自ら漠然とケアを模索し、特にスピリチュアルペインに対する対応に戸惑う状況であることがわかった。一方、研修での学びを実践に活かし傾聴のケア効果を実感することにより、看護師自身の成長として肯定的に捉えることが可能となった。また実践を経て、質の高い緩和ケアに着目した問題意識へと視野拡大の傾向が示唆された。今年度の研究成果として、第28回日本がん看護学会学術集会(新潟市)にて示説発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の調査予定が、2施設ともに対象となる看護師の多忙な勤務状況と、研究者の本務との面接日程調整が困難な状況下において、調査終了時期が遅れ、分析も遅れる傾向にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の調査1と調査2の面接調査結果をもとに、緩和ケア病棟に従事する看護師の問題状況をふまえた教育支援体制の試案を検討中である。現在、9月の研修に向けた具体的な研修内容の検討の段階にある。 学会発表については、日本がん看護学会に研究結果の一部を発表予定とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度購入物品の発注時期の遅れに伴い、支払いが平成26年3月31日から4月に繰り越された。また、研修内容の具体的検討が、大学本務の落ち着いた時期である平成25年度末に時期がずれ込んだこと等から、予算計画の執行が平成26年4月以降となった。 次年度の研究費使用計画としては、①物品費:試案作成に伴う文献やがん看護関連図書の購入、研修に対応した機材の購入を予定する。②旅費:日本がん看護学会参加旅費、学習会参加に関連する旅費を予定する。③謝金:試案作成及び研修会実施における専門的知識の提供を予定する。④その他:学会参加登録費や学会誌投稿料等を予定する。
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