2014 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の妻を看取った壮・中年期男性遺族の心理支援プログラムの作成と評価
Project/Area Number |
24593311
|
Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
中西 陽子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50258886)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二渡 玉江 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (00143206)
倉林 しのぶ 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20389753)
小林 万里子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (20433162)
広瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80258889)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | がん終末期 / 壮・中年期 / 男性遺族 / 心理経過 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、終末期がん患者の妻を看取った壮・中年期男性遺族が、妻の死後から現在(約3年経過している)までに、どのような心理的な問題を抱え、どのような心理経過を辿ったのか、その経過の中で心理状況に変化を及ぼしたのは、どのようなことがきっかけであったのかを明らかにすることである。また、遺族になってからの心理経過のプロセスにおいて、看護の支援の必要性をどのように捉えているのかを明らかにし、妻を亡くした壮・中年期男性遺族の心理支援プログラムを作成・評価することを目指している。 今年度は、一昨年度の計画の遅れを取り戻すことを加味した昨年度の計画を継続し、データ収集の目標数の確保を目指し、データの蓄積を中心に面接調査を中心とした研究活動を展開した。その結果、男性遺族のデータの目標数をほぼ満たすことができ、男性遺族の心理経過の特徴を明らかにし、その特徴に対応したプログラムの一般化を図るための基礎データの収集ができた。 現在、データ分析を継続中であり、前年度に途中段階としての成果発表(第39回日本看護研究学会)した研究結果を踏まえ、新規データを追加した分析結果を、共同研究者で検討、及び専門家会議を開催し、データ分析の信頼性・妥当性の確保に向けての作業を行っている。 今後はデータの飽和度確認のためのデータ蓄積を行い、専門的知識の提供を受けるための専門家の研修を経てプログラムを試作し、男性遺族の集いの会での介入後の評価を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までにデータ蓄積の目標数までに達成できなかったため、今年度も継続してデータ収集を中心に研究活動を展開した。本研究の対象者は、母集団が小さいことに加えて、性別と発達段階の制限が加わり、結果の一般化につなげるためにデータ蓄積を優先せざるを得なかったため、データ分析後に予定していた遺族プログラムの試作の作成時期がずれ込んでいる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度において、ほぼデータ蓄積の目標数を確保できたが、結果の一般化を図るためのデータの飽和化を確認するために、数例の追加のデータ収集をする必要がある。よって、データ収集を継続して、早期に分析を終了させる予定である。飽和化確認のデータ収集・分析と並行して、分析結果を踏まえた男性遺族の心理支援プログラムの試作の作成に入り、男性遺族の集いの会を企画し、介入の必要な対象を選定し、支援の介入を行っていく。プログラムの作成および介入の方向性への示唆を得るために、専門家による研修会(講義及び演習)を企画している。
|
Causes of Carryover |
前年度は研究対象者の確保及び研究協力の同意を得ることが困難であったため、今年度はデータ収集中心に活動を行った。そのため、分析結果を踏まえての支援プログラムの試作の作成の時期が遅れ、計画していた専門家による研修や男性遺族会の企画の実施予定の時期が遅延した。よって、これらに係る予算が執行できず、繰り越すこととなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用計画としては、物品費は、研修や遺族会にて使用する文具や通信費を予定する。旅費については、調査対象者の面接の交通費、研修講師の派遣のための旅費、遺族会出席のための旅費、研究に関連した勉強会の交通費、成果発表のための学会旅費等を予定する。人件費・謝金については、調査対象者の面接の謝礼、逐語録作成の人件費、専門的知識の提供の講師謝礼、遺族の集いの会協力者への謝礼を予定する。その他として、学会参加登録費や学会誌投稿料等を予定する。
|