2015 Fiscal Year Annual Research Report
心臓病をもつ成人の病いの語りによる症状マネジメントへの効果に関する研究
Project/Area Number |
24593312
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00291740)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 美根子 足利工業大学, 看護学部, 教授 (60301850)
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80381432)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 心臓病 / 高血圧 / 症状マネジメント / 語り |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓病をもつ成人は、動悸や倦怠感など、それぞれ個別の症状を抱えて日常生活を送っている。医学上は問題がなくても、症状は主観的な体験として認知されるため、症状マネジメントは個人のQuality of life(QOL)に大きな影響を与える。患者による病いの語りは、症状マネジメントに対して、経験を意味づけ、秩序立てて構造化することを助け、セルフマネジメントを促す効果が期待できる。本研究では、意図的な看護介入として、心臓病をもつ成人に対し病いの語りを促し、症状マネジメントへの効果を測定し、その有用性を明らかにすることを目的とする。 平成27年度は、平成26年度調査に引き続き、地域で生活する高血圧をもつ成人を対象に調査を実施した。対象は以下の3群を設定した。①高血圧の症状マネジメントに関する知識や方略についてセミナー(1セッション3回)参加者群(語らい群)、②①の参加者のうち、セミナー開催期間中に、電話による「語り」を促す群(語り群)、③地域クリニックに高血圧で通院している患者群(語り、語らいなし群)。それぞれの群に、3か月の期間をおいて2回、質問票調査を実施した。測定尺度は、症状マネジメントは、高血圧症患者の自己管理度測定尺度(坪田ら,2005)および服薬アドヒアランス尺度(上野ら,2011)等を使用した。その結果、対象者数が少なく統計的分析が不十分な課題があるが、自己管理度では、どの群も運動に関する項目が低値を示し、前後で有意な変化が見られた項目が複数あった。また、服薬アドヒアランスは全体に高い値が示された。また、語り、語らいの内容としては、自分の食事や運動などのライフスタイルに関すること、血圧測定時間や方法、使用している器具についての関心、内服薬の服用の負担などに関する言動が語られた。
|
Research Products
(1 results)