2012 Fiscal Year Research-status Report
クローン病患者のセルフマネジメントの実態に基づく患者教育プログラムの検討
Project/Area Number |
24593319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石橋 千夏 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (30564976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪下 八重 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (60290483)
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70279917)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | セルフマネジメント |
Research Abstract |
1.文献検討:医中誌Webを用いて「クローン病」「自己管理」「セルフケア」「セルフマネジメント」をkey wordに検索、得られた原著論文、解説・総説からクローン病患者のセルフマネジメントに重要な「認知」「行動」「態度」の要素について検討した。検討した28文献のうち22文献が看護師、3文献が栄養士によるものであった。検討の結果クローン病患者がセルフマネジメントするために必要な要素として、「態度」では【指示を守る】【長期的視点を持つ】【自分のこととしてとらえる】【常時身体に注意を払う】【孤立しない】が、「認知」では【疾患・治療・検査の理解】【療養の方法の理解】【療養の意義の理解】【個別性の理解】【必要範囲の理解】が、「行動」では【食事療法】【経腸栄養】手技に関してと、手技以外にも〈病態に合わせた選択〉や、〈状態に合わせて変更する〉〈症状により調整する〉といった病状との調整、〈スケジュール調整〉といった生活との調整、〈食欲との折り合い〉など欲求との調整が含まれた。また〈セルフモニタリング〉や〈定期受診での確認〉といった【把握する】、〈ストレスへの対処〉など心身両面を含む【休息】と活動のバランス、〈付き合いの対処〉といった社会生活上関わる【外での食事の対処】、家族、職場・学校など周囲の協力や〈社会保障制度の活用〉など【サポートを受ける】などが抽出された。 2.エキスパート看護師へのインタビュー:クローン病患者にとって必要なセルフモニタリングを含むセルフマネジメントの視点や実際の内容について明らかにすることを目的として、文献検討をもとに作成したインタビューガイドを用いてエキスパート看護師にインタビューを行う。24年度は研究倫理審査を受け、近県での調査を始めており、多くのエキスパート看護師がおられる遠方の病院とも具体的な調整に入っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度であった24年度は文献検討に時間を要したため、研究はやや遅れている。その遅れを取り戻すため、次年度はエキスパート看護師の調査を終了したいと考えている。またエキスパート看護師の調査を行いながら、患者への調査に向けて倫理審査を受けるといった準備を進める。 当初予定では25年度に患者への調査を行うことになっており、25年度内に患者への調査も終えて計画の遅れを取り戻したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画は5年計画であるが、平成24年度と25年度で以後の実態調査に向けた調査項目作成のためのインタビューを行う予定である。それをもとに26年度に質問紙作成し、26年度中に質問紙調査を行う(当初は26年夏に質問紙調査の予定であったが、24年度の遅れから26年度中の調査となる見込みである)。 その後は当初の予定に追いついて、27年度に信頼性・妥当性の検討、28年度に結果のまとめと成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度4月に研究代表者が所属研究機関を異動したため、前任地で受けていた倫理審査を再度新任地でも受け、8,9月の臨地実習のない期間にエキスパート看護師(24ねんどからのひきつづき)、患者へのインタビューを行う。エキスパート看護師は夏に調査を終えるが、患者は対象を30人に予定しているので、調査は秋の実習が一段落する3月以降にも補足的に行う必要があると予測している。実習と講義・演習を行いながら分析する予定である。 インタビューにかかる旅費や録音機材、メディアや記録用の文房具類、テープ起こしなどの費用は当初予算の24年度、25年度分にて賄う予定である。
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