2013 Fiscal Year Research-status Report
クローン病患者のセルフマネジメントの実態に基づく患者教育プログラムの検討
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24593319
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石橋 千夏 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30564976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪下 八重 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (60290483)
籏持 知恵子 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70279917)
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Keywords | クローン病 / セルフマネジメント |
Research Abstract |
「クローン病患者のセルフマネジメントの重要な要素~エキスパート看護師への調査を通して~」について、エキスパート看護師が考えるクローン病患者のセルフマネジメントの内容を明らかにすることを目的に、炎症性腸疾患を診療する専門医がいる医療機関で3年以上勤務する看護師を対象にインタビューを行った。 インタビューを逐語録に起こして、Lorigの定義を参考にセルフマネジメントについて述べられている部分を抽出し、質的に分析、記述した。 その結果、クローン病患者の行う治療のマネジメントには病気のとらえ方や食事の仕方、内服治療の仕方について、主治医の説明から狭窄などの病状を理解しておくことや、納得できるように主治医とやり取りをすること、これまでの自分の経験から病状の変化を判断し対応していくことなどが含まれることが分かった。社会生活の面では、クローン病患者は仕事・学校や家庭の役割を果たせるように自己管理の調整をしたり、周囲の理解を得るための説明を行って協力を得ていた。感情に関しては、療養以外の側面を大切にしてストレスを減らすことや同病者とのかかわりを持つことなどが含まれた。 これらの結果を踏まえて、患者に対してセルフマネジメントの要素を調査し、2つの調査の結果からクローン病患者のセルフマネジメントに重要な要素を明らかにしたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の文献検討に時間を要した遅れが影響し、研究はやや遅れている。25年度に一気に遅れを取り戻す計画であったが、研究代表者が所属を異動したため、調査のための倫理審査を再度受けることになったり、新たに研究協力を得るための交渉が必要になって、時間を要した。研究分担者とも研究施設が別々になったが、役割遂行上の支障は限定的で、今後は予定に沿って26年度にクローン病患者への質的調査を行い、質問紙を作成することで、遅れを取り戻したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に行う予定であった質問紙作成4ステップのうちの2ステップの実施に25年度までかかったが、25年度と26年度に行う予定の質問紙作成のための3,4ステップを26年度中に行うことで、27年度には質問紙調査を行い、最終年度に信頼性・妥当性の検討を行えると考える。成果報告についてはその都度行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー調査の打ち合わせや調査の実施のための旅費や物品購入費が、調査の遅れから使用されずに繰り越しになっている。質的調査での協力者への謝金の支払いが研究機関による手続きなどの違いがあって支払ってもらえず、その分の残も繰り越しになっている。 26年度には患者を対象にした質的調査を行う。希少難病のため、各地に研究協力を得るための交渉に出かける必要がある。患者会の全国組織を参考に協力者を各地に求めるので、旅費が必要になる。また対象を30人に予定しているため、謝礼や記録用の文具類、テープ起こしの人件費などがかなり必要になる。それらを繰り越しする経費で賄いたいと考えている。また研究に関する情報収集のための学会参加も、前年度は不十分であったので、繰越金から26年度は積極的に行いたいと考えている。
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