2014 Fiscal Year Research-status Report
呼吸器感染症状に関するセルフモニタリング促進プログラムの検証及び臨床導入への検討
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24593320
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
森 菊子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (70326312)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | セルフモニタリング / 呼吸器感染 / 慢性閉塞性肺疾患 / 急性増悪 / 呼吸リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、呼吸器感染による急性増悪を起こした慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者に対し、呼吸器感染症状を測定し、日誌に記録する技術、定期的なサポートの提供を行うというセルフモニタリング促進プログラムの精練を図ることを目的としている。また、このプログラムの臨床への導入について検討することを目的としている。 研究対象者は呼吸器感染による急性増悪で入院となったCOPD患者である。退院後、6カ月間日誌を記載してもらい、看護師が外来で日誌を確認し、増悪症状への気づきを促進したり、適切な対処がとれるようにサポートしている。平成25年度は冬期において呼吸器感染の入院はあったが、重症であったため、協力依頼ができない状況であった。そこで、平成26年度は研究施設を4施設増やし、協力依頼を行った。今回は、このプログラムの臨床への導入も検討しているが、研究依頼をとおして、2施設では、10名程度の看護師、医師に説明する機会を得ることができ、急性増悪予防における援助の必要性について説明することができた。 平成26年度は4名の方から協力を得ることができた。しかし、1名は体調の悪化により、中断した。1名は現在介入の途中である。終了した1名は、熱が出ていないため大丈夫と思っていたが、肺炎になったこともあり、痰の色が重要であることや、早めに対処することが必要であることに気づいており、「呼吸器感染症状への行動に関するチェックリスト」における得点においても、介入前より増加していた。また、1名は、週2~3回日誌に記載している状況であったが、日誌を振り返る中で自分の体調を説明するなど関心が高まった状況があったり、日誌の様子から体調管理のために訪問看護を導入するということにもつながっていった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
修正した呼吸器感染症状に関するセルフモニタリング促進プログラムの検証にあたり、平成25年度は3施設で研究を進めていったが、重症化した方が多いなどの理由により協力が得られなかった。そこで、平成26年度は4施設に協力依頼を行い、合計7施設で研究を進めていった。また、退院後は地域の開業医に戻る患者も多いため、6か月間の介入が難しい状況があり、開業医、訪問看護ステーションへの協力依頼を行った。しかし、重症化した方には日誌の記載を依頼することができない状況や、外来での抗生剤服用により、入院する方が減っている状況もあり、対象者数を増やすことができなかった。また、増悪の治療後は、開業医に戻る方が多く、開業医に依頼できていない施設においては、6か月間サポートすることが難しい状況があった。よって、4名への介入となり、予定より対象者数が少ない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
修正した呼吸器感染症状に関するセルフモニタリング促進プログラムの検証を引き続き行っていくが、対象者を増やすために、COPDの地域連携パスを使用している病院などに依頼を行い、研究協力施設を増やしていく。また、同時に外来での増悪に対する治療の現状、外来看護の現状について文献などにより把握したり、訪問看護ステーションにおいて実施している増悪予防の看護援助と課題について明らかにし、臨床導入における課題を明確にしていく。
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Causes of Carryover |
修正した呼吸器感染症状に関するセルフモニタリング促進プログラムの効果の検証を進めていたが、研究対象者が少なく資料整理のための人件費が予定より少なくなった。また、研究協力施設を4施設増やしたが、依頼において必要となる資料等の準備は研究者自身で行ったため、人件費の使用が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力施設を増やしていく必要があり、研究依頼、調整のための旅費として使用する。また、データ収集に必要な旅費、資料整理のための人件費として使用する。 COPD増悪の治療等に関する最新の知見を得るための学会への参加費、旅費として使用したり、文献複写、図書の購入に使用する。
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