2012 Fiscal Year Research-status Report
遠隔看護による早期糖尿病患者に対する継続した自己管理支援に関する研究
Project/Area Number |
24593322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
東 ますみ 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (50310743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 恭子 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20253619)
神崎 初美 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80295774)
力宗 幸男 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (60128783)
藤永 新子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (70508663)
石橋 信江 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (50453155)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遠隔看護 / 糖尿病 / 自己管理支援 |
Research Abstract |
本研究は、早期糖尿病患者に対する強化血糖管理による、長期的な大血管予防のために、既に開発した糖尿病自己管理支援システムを教育入院プログラムと組み合わせ、タブレット型端末で活用できるように拡張した「糖尿病自己管理支援システムII」を用いて、教育入院から退院後へと継続した自己管理支援を行うことで、生活状況に応じた自己管理方法の獲得を目指すものである。 システムの概要は、インターネットを利用した遠隔看護支援システムである。対象者は、日々の食事内容、歩数・消費カロリー等の運動量、体重・体脂肪率、行動記録、中短期の目標と評価、血液検査データなどを入力しサーバーに登録する。登録されたデータは、タブレット型端末の画面に、グラフとして表示される。食事内容は写真を保存し、教育入院中の糖尿病食と比較することで、食べ過ぎを防止する。また、対象者が糖尿病療養生活において疑問に感じたことを、その場で記録できるような入力画面を用意し、医療者が対応することで、早期の解決を図る。医療者は、対象者が医療機関に受診した際、タブレット型端末に入力されたデータを確認して、アドバイスの参考とする。システムへの入力の継続性を保つためには、操作の簡便さややる気を維持・向上させる工夫が必要となる。そこで、文字入力の負担を少なくするため、50音別の食事メニューを表示したり、目標入力のための一般的な文章を用意する。日々の目標達成得点に応じて、キャラクターの表情や動きが変化するゲーム性を取り入れる。平成24年度は、タブレット型端末で稼働する上記システムの開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
携帯電話用に開発した糖尿病自己管理支援システムを、タブレット型端末で稼働するためのシステム開発は、実施済みである。しかし、研究協力病院が確保できず、教育入院プログラムの電子化や学習教材の開発が完成しておらず、達成度としてはやや遅れている。研究協力病院が確保できなかった理由は、対象者が少ない、退院後は地域の診療所に戻ってしまい、継続したデータが収集できないという理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力病院に特化した教育入院プログラムの電子化や学習教材の開発を行うため、一施設毎に協力を求める方法しか用いることができないので、時間がかかっているが、協力が得られそうな施設から順次計画の説明を実施し、研究協力病院の確保を早急に行う。研究協力病院が確保でき次第、教育入院プログラムで使用する資料等を電子化し、いつでもどこからでも自由に復習したり、確認できるようにする。復習用の教材の一つとして、教育入院の内容に応じたテスト問題やその解説を作成する。テスト問題は得点化し、何回でも挑戦できるように、過去の得点の推移や弱点がわかるような表示の仕方を工夫する。また、食品交換表を理解することが困難である場合が多いため、フードモデルの写真を使って、1単位(80kcal)の食品量をゲーム感覚で覚えられるような教材も作成する。このように、研究協力施設に特化した、「糖尿病自己管理支援システムII」を完成させ、システムの試用評価を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、研究協力病院と密に相談してシステム構築を行うため、協力病院への旅費が発生する。また、「糖尿病自己管理支援システムII」を完成させるために、タブレット型端末(iPad2)を更に1台購入して、システム開発を進める。試用評価の段階では、タブレット型端末(iPad2)の購入台数を増やして、協力病院へ貸し出し、評価を実施する。その際、サーバーレンタル料金や定額通信費用等、ランニングコストが発生する。 平成25年度は、国際看護師協会の4年毎大会がオーストラリア(メルボルン)で開催される。遠隔看護について、最新の国際情報が得られる機会であるため、情報収集を行い、本研究に活かしていく。
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Research Products
(2 results)