2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病患者教育のための看護職学習システムの開発
Project/Area Number |
24593329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
上星 浩子 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (20389745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 美智代 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (10312729)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 患者教育 / EASEプログラム / 看護実践能力 / 看護職学習システム |
Research Abstract |
本研究の目的は,慢性腎臓病(以下CKD)患者教育における看護職者向けEASE(Encourage Autonomous Self-Enrichment Program)プログラム学習システムを開発することである. 平成24年度は,CKD患者教育における困難ごとや効果的な教育に影響を及ぼす要因,EASEプログラムの問題点を明確化するため,①文献研究,②EASEプログラムの介入経験のある看護職者を対象に「CKD患者教育における看護師の経験」についてフォーカスグループインタヴューを行った.CKD患者教育における看護師の経験は, CKDとともに生きる患者理解や連携・調整の困難があるものの,そこから看護の専門性を追求し,患者の行動変容が看護師にとっての新たな喜びとなり,そして周囲に承認されながら自己実現に向かっていく経験をしていた. また患者教育に必要な能力を明らかにするために,③CKDに従事している看護師を対象に「CKD看護師に必要なコンピテンシー」についてフォーカスグループインタヴューを行った.CKD看護師のコンピテンシ―として,「自己決定への支援」,「アセスメント能力」,「安全な透析機器の操作とテクニック」,「状況に応じた臨床判断」,「モニタリングと危険察知」「対象の理解と対象を敬う態度」などが抽出された. これらを踏まえデルファイ法を用いて効果的な患者教育やEASEプログラムを実施するために必要な看護実践能力とその看護実践能力を獲得するための学習内容について抽出し,コンセンサスを得るための調査表作成に取り組んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は,①CKD患者教育における看護実践能力の解明については文献研究を行った.②CKD患者教育における困難ごとや効果的な教育に影響を及ぼす要因,③EASEプログラムの問題点の解明においては,まず一般的な患者教育における看護師の経験を明らかにする必要があると考え,EASEプログラムの介入経験のある看護職者およびCKD患者教育(透析教育も含む)に従事している看護職者を対象にフォーカスグループインタヴューを行い,「CKD患者教育における看護師の経験」を明らかにした. また,④CKD患者教育を行う看護職者の学習ニード,効果的な患者教育を実施するために必要な看護実践能力と実践能力獲得のための学習内容の解明では,「CKD看護師に必要なコンピテンシー」についてフォーカスグループインタヴューを行った. しかし,対象者の確保と時間調整が困難であったため,研究計画よりやや遅れてしまい,デルファイ法調査まで進むことができなかった. 平成25年度は昨年実施できなかったデルファイ法調査ができるよう,効果的な患者教育を実施するために必要な看護実践能力とその看護実践能力を獲得するための学習内容を抽出し,コンセンサスを得るための調査表作成を行っていく.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,CKD患者教育を行う看護職者の学習ニード,効果的な患者教育を実践するために必要な看護実践能力と実践能力獲得のための学習内容を解明化していく. 平成24年度のフォーカスグループインタヴューで明らかになった内容をもとに,コンセンサスメソッドの一つであるデルファイ法を用いて,効果的なCKD患者教育を行うための学習内容について,コンセンサスを得るために調査をしていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,デルファイ法調査まで進むことができなかったため,残金となってしまった.よってデルファイ法のための郵送費,通信費,専門的知識の提供のための研修費や書籍,およびデータ入力に必要なパソコン機器に使用する予定である. また平成24年度のフォーカスグループインタヴューで得た結果を11月のThe 3ed Asian Nephrology Symposium および日本看護科学学会学術集会への参加・発表にかかる旅費・宿泊等の一部に充てる予定である.
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