2012 Fiscal Year Research-status Report
寝たきり脳卒中患者の筋機能におけるうつ伏せ姿勢の効果
Project/Area Number |
24593330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
大宮 裕子 目白大学, 看護学部, 講師 (90604611)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | うつ伏せ / 緊張緩和 / リラクセーション |
Research Abstract |
腹臥位姿勢におけるリラクセーション効果について明らかにするため、健康な20歳代男性17名を、腹臥位をとる実験群9名、半側臥位のみの対照群8名に無作為に振り分けた。半側臥位15分間後、実験群は腹臥位、対照群は半側臥位を15分間、その後半側臥位15分間実施した。実施中、呼吸数の測定とCCI社のBACS Advance ver.2.0.3を使用し、右第2指の指尖脈波から心拍数、心拍変動、リアプノフ指数を測定、同社の解析ソフトを用いて加速度脈波解析、心拍変動解析、カオス解析を行った。実験前後には心理の指標としてRE尺度を測定した。実験群と対照群の比較は、Wilcoxon の符号付き順位検定を行い、腹臥位姿勢時の変化については、5分間ずつ3水準の平均値についてFriedman 検定を行ない、有意差がみられた場合には多重比較を行った。 その結果、心拍数、心拍変動は、実験群と対照群ともに有意差はなったが、リアプノフ指数は、実験群が有意に増加した。腹臥位姿勢時の呼吸数は徐々に減少し、開始後と終了前で呼吸数は有意に減少した。RE尺度は「気分が高ぶっている ―のんびりしている」の項目で、実験群が有意に増加していた。 腹臥位姿勢時の呼吸数の有意な減少、RE尺度により有意に気分の高ぶりが減少したことや、リアプノフ指数の有意な増加により、心理状態の安定、生体適応力(adaptability)の増強および生体の活性化につながったと考える。これらのことから腹臥位姿勢は、受動的なリラクセーションではなく、気功や太極拳などのように積極的にリラクセーション効果を活用する、アクティブ・リラクセーションの一つになり得ると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究スタート時には文献レビューが済んでおり、具体的な実施方法を検討している状況だったため、当初2年目で予定していた健常者を対象とした研究を1年目で実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度からは、施設の倫理審査を受け、承認後、臨床の看護スタッフと協力し、寝たきりの脳卒中患者を対象にうつ伏せを実施していく。そして、筋緊張の変化についてのデータを収集していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床データを入力するためのパソコンと統計ソフト、ポジショニングクッション、人件費、会議費、学会・研修参加等に使用する予定である。
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