2014 Fiscal Year Annual Research Report
寝たきり脳卒中患者の筋機能におけるうつ伏せ姿勢の効果
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24593330
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
大宮 裕子 目白大学, 看護学部, 専任講師 (90604611)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腹臥位 / うつ伏せ姿勢 / リラクセーション / 脳卒中後遺症 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に引き続き、介護老人保健施設に入所している脳卒中後遺症高齢者を対象に実施した。25年度の対象者3名のうち2名は介護老人福祉施設への入所が決まり、Aさん1名を対象として、うつ伏せ姿勢の援助を毎週土曜日の午前に15分~30分程度、毎回酸素飽和度と脈拍を確認しながら実施した。そのなかで月に1回、援助の前後で指尖脈波計測(心拍数、LF/HF比、HF、リアプノフ指数)を合計10回実施した。 Aさんは、80歳代女性で要介護5、脳卒中後遺症(右片麻痺)、認知症、肺結核の既往があり、定期的に検査しており、ベッド上で過ごしていることが多く、ADL全般にわたり重度の介助が必要であった。指尖脈波の分析には、加速度脈波解析、心拍変動解析、カオス解析を行った。腹臥位実施前と後の比較については、IBM SPSS Ver.22を用いてWilcoxonの符号順位和検定を行ない、分析には、生体解析に精通している工学博士のスーパービジョンを受けた。 その結果、心拍数の低下、HFの上昇、リアプノフ指数の上昇、酸素飽和度の上昇について有意差(p<0.05)がみられ、LF/HFについては有意差がみられなかった。Aさんについては、うつ伏せ姿勢により心理状態の安定、生体適応力(adaptability)の増強および生体の活性化が明らかとなり、Aさんにとってのうつ伏せ姿勢は、アクティブ・リラクセーションになっていることが示唆された。
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