2015 Fiscal Year Research-status Report
芳香性植物油を用いたセルフケアによるしびれ症状軽減効果の検証
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24593334
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高谷 真由美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (30269378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 きよ子 順天堂大学, 大学院医療看護研究科, 教授 (50212361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 症状緩和 / セルフケア / アロマセラピー / しびれ / 慢性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的2)はしびれを軽減するセルフケアの方法と根拠を文献検討により明らかにするというものであったが、国内外にほとんど慢性疾患患者が有する症状としてのしびれの実態と、セルフケアについての研究報告がほとんどない。そのため前年度より継続して閉塞性動脈硬化症患者を対象に、症状とセルフケアの実態調査を実施した。外来通院中の閉塞性動脈硬化症患者66名を対象に行った質問紙調査の結果、対象者の半数以上が足のしびれを「いつも」あるいは「時々」感じていると答えていた。類似の症状として、足の冷え、足の重さを感じている人も半数以上であった。また、3割程度の人は足に傷や潰瘍がある、安静時にも足の痛みがあると答えていた。足に関するセルフケア行動では、足が冷えないようにする、足の手入れをする、足の観察をいつもしていると答えた人は3割程度、時々している人を合わせると半数は足そのものに関する何らかのセルフケアを行っていた。であったが、傷をつけないように注意していると答えた人は4割以上であった。食事に気をつけている人は「時々」と「いつも気を付けている」と合わせて6割以上いたが、運動は「全くしない」「あまりしない」人が訳5割であった。セルフケアの実施程度には、子どもとの同居の有無、年齢などが関連していた。調査の結果から、しびれや冷えなどの症状を感じている部位の具体的なセルフケアとして、芳香性植物油を用いたマッサージを取り入れることは有効な症状軽減手段になり得ると考えられた。研究目的3)の健常者に対する芳香性植物油を用いたマッサージの効果については、過去に研究者が実施し、効果のあった事例検証から、芳香性植物油の種類と濃度を調整し、介入方法とデータ測定のプロトコールを修正中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者を対象にしたセルフケアの実態調査に関して、必要ななデータ数が回収できるまで、当初の予定よりも時間がかかり、介入効果の検証の準備と実施に十分な時間がとれなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者に対する介入効果の検証を、生理学的データ測定と、事例検討の両方を進め、効果と安全性が保証できるデータが得られた時点で、今回報告した閉塞性動脈硬化症患者および自己免疫性疾患で末梢にしびれ症状のある患者を対象にした介入に関する倫理審査の手続きを進める。対象患者を選定する医療施設は、2施設とも現在工事中で患者を対象にした生理学的データ測定の実施には適切な場所が確保できない可能性があるため、セルフケア手段としての可能性を事例検討とVASなどの主観的なデータによって検証する方向で進めていく。
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Causes of Carryover |
実態調査、事例検討に関する結果を分析途中であったため、国内外での成果発表のための旅費の使用が少なかった。生理学的データの測定が予定通りに進んでいないため、分析に必要な機器およぼ消耗品の購入をしなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
介入効果測定のために必要な消耗品、分析ソフト、芳香性植物油の購入、データ測定補助者のアルバイト代、被験者への謝礼、臨床研究に関する賠償責任保険加入に使用する。また、研究成果発表のための国際学会への旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)