2012 Fiscal Year Research-status Report
より早期の慢性閉塞性肺疾患患者に適した看護アプローチモデルの開発と検討
Project/Area Number |
24593338
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
田中 孝美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (60336716)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性看護 / 慢性閉塞性肺疾患 / セルフマネジメント |
Research Abstract |
1.慢性疾患マネジメント及び看護介入モデルの文献検討 慢性疾患領域で有効性が検証されているマネジメントプログラム概念構成や看護介入プロトコール、評価についての知見が得られた。また、慢性疾患のマネジメントで重点の置かれる患者のセルフマネジメントスキルの向上については、医学的な対処スキルのみでなく、心理社会的、情緒的なマネジメントスキルの要素を取り入れることが重要であることが明らかになった。これらの内容について、オーストラリアで開催されたThoracic Society of Australia & New Zewland Annual Scientific Meetings 2013で発表した。 2.看護職対象のインタビュー調査 慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)患者の看護経験のある看護師8名を対象にインタビューを実施し、在宅酸素療法導入以前の患者の看護実践事例を収集し、看護実践の特徴と看護者が経験している看護を実践するうえでの課題について現状分析を行った。結果として、診断時にCOPDが慢性疾患で管理が必要になることを説明されていない患者が多く、増悪時の症状緩和と退院が目標となっており、自己管理に向けた関わりへの関心が他の長期管理が必要になる病気と比べて低く、基本となる教育ツールが乏しい現状があった。一方で、診断時にCOPDの病気に関してだけでなく、管理のメリットを具体的な方策とともに伝えている場合は、患者が積極的に療養行動を学び自信をもって生活することにつながり、療養に必要な知識を分かりやすく網羅した冊子を関わりのツールとすることが効果的であった。COPD患者特性として医療者への援助をあまり求めず、自分なりのやり方を貫こうとするために、看護職が関わりにくさを抱えていることも明らかになった。 以上の成果により、今後の看護アプローチモデルの開発の基盤となる知見を得られたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に予定していた研究実施計画どおりにほぼ実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の主な計画は、1)看護介入モデル案の作成、看護アプローチに有用な教育ツール作成の検討、2)看護介入モデル案の内容妥当性を検討するための予備調査の実施、である。これらを推進するための方策としては、看護介入モデルの開発についての有識者の助言、慢性看護領域および慢性閉塞性肺疾患患者の看護に精通している複数の看護専門職との協働が重要であり、研究協力者を組織化し、研究会を計画的に重ねることである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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