2014 Fiscal Year Research-status Report
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24593341
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
前田 節子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 研究員 (40559142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 敬子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (70269380)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、呼吸困難感のあるがん患者に対して、タッチ療法のひとつとしてリフレクソロジーを取り上げ、その有用性を科学的に検証することである。さらに、本法で使用する自律神経活性の評価指標が、がん患者の呼吸困難感の生理学的評価指標としての有用性を確認する。 平成26年度は生理学的指標としての自律神経系活性を測定する臨床研究を実施した。実験内容は、呼吸困難感のあるがん患者を対象に安静臥床のみ1回を含めて同一被験者に4回(4日間)フットリフレクソロジーの施術20分を実施し、施術前後の呼吸困難感、心理的反応の変化をNumerical Rating Scale(NRS)で評価した。また、施術前後10分を含む全行程40分間心拍計によるモニタリングを行い、自律神経系活性の評価指標として、交感神経と副交感神経を分離評価できる心拍変動を測定した。 結果、対象は7名の患者の同意を得たが、1名は初回の施術後、研究参加の撤回の申し出があり、計6名であった。平均年齢は66.7±15.6歳で男性2名、女性4名であった。6名中5名がステージⅣであった。また、全員が呼吸困難感の原因となる器質的障害を有していた。呼吸困難感は、施術による介入前後および安静臥床時との比較ともに有意差は認められなかった。しかし介入時の効果量大(r=0.66)であったことから、サンプルを増やすことにより有意な結果の期待が示唆された。リラックス感、眠気ともに介入時の前後は、得点が有意に増加した。自律神経系は、副交感神経系活性の参考値であるHFは、施術中わずかな上昇にとどまり、交感神経活性の参考値であるLF/HFは施術中上昇し、施術終了後は実施前に比較してわずかに低下した。しかし介入時の心拍数は、有意に低下した。自律神経活動の静的なバランスは心拍数に反映されることから、施術が自律神経系に何らかの影響を与えたことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年4月より、呼吸困難感のあるがん患者に対して、フットリフレクソロジーによる影響について、生理学的指標としての自律神経系活性を測定する臨床研究を行っているが研究参加者が不足しているため、全体に進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度の解析データを基に実験プロトコールの検討をした上で、引き続きデータ収集および結果の分析を行う。また、研究で得られた成果を国内の学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年4月より、呼吸困難感のあるがん患者に対して、フットリフレクソロジーによる影響について生理学的指標として自律神経系活性を測定する実験研究を行っているが、研究参加者が不足しており、データ収集を続けている段階のため未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も引き続きデータ収集を行うため、実験研究に伴う臨床施設や共同研究者との打ち合わせにかかる交通費、学会発表の経費に使用予定である。
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