2014 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植後のレシピエントの妊娠・出産における心理的体験と医療支援に関する研究
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24593344
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
吉村 弥須子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10321134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅下 浩司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60252649)
久保 正二 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80221224)
吉川 有葵 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (20614085)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肝移植 / レシピエント / 妊娠 / 出産 / 体験 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肝移植後に妊娠・出産を体験したレシピエントの妊娠前から出産後の心理的体験を明らかにし、肝移植後に妊娠・出産を体験するレシピエントに必要な医療支援について検討した。当該年度の研究実施計画は、データ分析であった。 【データの分析】 逐語録にしたデータから、以下の内容に関する文脈を抽出しカテゴリー化した。(1)レシピエントの妊娠中の不安とその対処法 (2)レシピエントの出産の体験 【結果】 (1)妊娠中の不安は、<薬の胎児や母乳への影響><自身の体調の悪化と子どもや家族への影響><出生前診断のリスクと結果><疾患の遺伝><出産時のリスク><周りの順調な母親との比較>の6カテゴリーが抽出された。不安の対処法は、≪医療者に相談する≫≪家族に相談する≫≪同じ体験をした人に相談する≫≪自身の体調を整える≫≪悩まない・前向きに考える≫があげられた。レシピエントの多くは免疫抑制剤の影響や自身の体調の悪化に対する不安を抱いていたが、誰かに相談したり、自身で体調管理を行い対処していた。また免疫抑制剤は自分が生きていくうえで必要不可欠なものであり、自分が悩むことで胎児に悪い影響がおよぶとネガティブな感情を払拭し前向きに対処していた。(2)レシピエントが体験した出産は、<予定より早い入院と出産><予定の分娩方法からの変更><身体の悪化に伴う入院期間の長期化><出産の喜びと産まれてくれたことへの感謝><子どもの無事に対する不安と安堵><移植よりつらい出産><医療者と家族に支えられた><楽な出産>の8カテゴリーが抽出された。レシピエントの多くは大きなリスクを抱えて出産に臨み、身体の悪化や予定どおりでない出産を体験していた。しかし出産の喜びや子どもの無事に安堵し、医療者や家族のサポートに感謝していた。レシピエントが安心して、安全に出産に臨めるような医療体制とサポートを行うことが重要である。
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Research Products
(3 results)