2014 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病をもつ患者のセルフマネジメント継続のための療養支援のあり方に関する研究
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24593345
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
藤永 新子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (70508663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 ますみ 兵庫県立大学 大学院, 応用情報科学研究科, 教授 (50310743)
原田 江梨子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (80218643)
安森 由美 四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (80261113)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソーシャル・サポート / 糖尿病 / セルフマネジメント / 糖尿病負担感 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病をはじめとする慢性疾患を持つ患者は、長期間にわたる治療の継続という疾患の特異性から、情動的な安定の欲求を満たすサポートと、疾患の治療に直接的に関わるサポートが必要であるといわれている。近年では知識の提供だけでなく、自己管理を高める支援やセルフレギュレーションの概念を基盤とした支援が医療者を中心に行われ、その有効性が報告されているが、時間や環境が限定されるため必要な時に必要な支援が受けれないことが指摘されている。 海外では、ピア・サポートを病者の持つソーシャル・サポート資源の重要な1つと位置づけ、ピア・サポートプログラムが展開されている。しかし国内においては、患者会などを利用した支援は時間や場所が限定されることから、参加しにくいなどの問題点も指摘され、近年、全世界的かつ生活のあらゆる局面に浸透してきた情報通信技術を利用した支援が行われている。今回、身近にいる糖尿病患者による支援がセルフマネジメントに有効ではないかと考え、時間や環境を限定しないICTを利用したソーシャル・サポートシステムを開発した。 33名の対象者に、1年間システムを利用してもらった結果、ピア・サポート機能が上昇し、糖尿病負担感の食事療法負担度が減少していたことから、同じ体験をしていることで、情報提供や情緒的支援が双方で行われており、特に治療に関する食事療法や運動療法ににおいては患者同士のサポートの有効性が示された。しかし、自己管理行動の変化はなく、同病者支援は影響していなかった。また、お互いがわからないことでの言いやすさもあったが、多くは、お互いをりらないことで、投稿内容のコメントに「どこまで言ってあげればいいかわからない」など、関係性の構築ができないことでの支援の脆弱化が指摘された。今後は、お互いを知った上での支援が、ソーシャル・サポートシステムを活発化させる為に必要である。
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