2012 Fiscal Year Research-status Report
医療者と患者ピア・サポーターの協働によるサポートシステムの構築
Project/Area Number |
24593347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野 美穂 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20403470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 浩子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90321207)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ピア・サポート / がん / 同病者支援 / 慢性疾患 |
Research Abstract |
医療者と乳がん体験者が協働して一人の患者にサポート提供する「ピア・サポートプログラム」を乳がん患者対象に実施し、その事例分析等を行うことで、プログラム評価を多側面から行っている。現在までに本プログラムを受けた患者へのインタビュー調査によりその効果が一部明らかになった。24年度は、新しい事例に関するデータ収集および累積したデータをテキストマイニングの手法を用いて分析した。また、ピア・サポート提供直後に看護師によって収集したピア・サポートを受けた患者およびピア・サポーターからの感想の聞きとり内容についても詳細に分析中である。ピア・サポート支援を受けた患者データについて、テキストマイニングによる単語頻度解析では「聞く」が上位に挙がり、さらにその原文参照および「聞く」に対する係受け頻度分析を行うことで、患者がピア・サポーターに「治療について」「病気について」「気持ちについて」「生活について」「勉強について」等を多く聞いていることが明らかとなった。さらに、上記項目について、ことばネットワーク分析を行ったところ、治療に関しては、「どのくらい」「長い」「つらい」等がネットワーク図として表現され、ピア・サポーターが経験した実際の具体的な治療体験を聞きたい、あるいはサポート提供時に聞いていることが分かった。また「生活について」は、「仕事がしたい」「将来」等、先輩患者が病気とどう折り合いをつけながら生活してきたのか、自分がどうなっていくのかということに関心が深いという結果が抽出された。さらに、ピア・サポーターに関して語った文と看護師について語った文について、特徴語分析を用いて比較したところ、看護師に対して「話」という単語が多かったのに対して、ピア・サポーターには、「話」以外にも「仕事」「安心」「満足」等の単語も特徴として抽出され、ピア・サポーターの役割・意義が表れた結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度は、現在実施しているプログラム評価に加えて、患者ピア・サポーター養成プログラム適用に効果的な他の疾患を選択するためのアンケート調査およびインタビュー調査実施を計画していたが、他疾患選択に関しては、調査にまで至らず、海外にて、すでに行われ効果を示している他疾患ピア・サポートプログラムの現状について、文献検討による現状把握の段階までしか進めなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までのデータをさらに詳細に分析し、プログラム洗練に役立てるとともに、他疾患への適用に向けた調査を実施、分析、その結果、ピア・サポートプログラム適用の可能性を見出せた疾患に関して、25年度はピア・サポートプログラム導入に向けての準備を行い、体制・環境を整備し、26年度にの導入に繋げていく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度に予定していた患者ピア・サポーター養成プログラム適用に効果的な他の疾患を選択するためのアンケート、インタビュー等調査の実施に至らず、224,024円の残金が生じた。 それらを含めた25年度予算の研究費使用計画としては、患者ピア・サポーター養成プログラム適用に効果的な他の疾患を選択するためのアンケート、インタビュー等の調査実施費用として、用紙、印刷費、郵送費等、および、データの入力作業や反訳作業、分析のための量的統計ソフト購入、また、研究を進める上で必要な研究会議や学会発表および資料収集のための学会・シンポジウム等への参加のための交通費・参加費(分担研究者含)、および、研修等開催に必要な経費、成果物である論文のネイティブチェックや投稿費用として使用予定である。
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Research Products
(3 results)