2013 Fiscal Year Research-status Report
「感情表出(EE)」を用いた心身症・神経症児の親支援モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
24593353
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (30299789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 志保 山形大学, 医学部, 助教 (00512617)
遠藤 芳子 宮城大学, 看護学部, 教授 (20299788)
塩飽 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50250808)
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Keywords | 神経症・心身症 / 子ども / 親支援 / 情動表出(EE) / 情動調整スキル |
Research Abstract |
子どもの情動調整尺度(案)を作成し,小中学校を対象に実施した調査に基づき,信頼性・妥当性について検証した。これを論文としてまとめ投稿し,小児保健研究(2013年,72巻)に掲載された。また,同一データを活用して,子どもの心身症状と情動調整の下位尺度との関連について検討した。その結果,子どもがネガティブな情動を体験し,その情動を抑制しようとすることを介して,情動調整が困難になり,身体症状化すること,また,ネガティブな情動体験や情動調整の困難から直接身体症状化する仮説モデルが検証された。これらのことから心の問題が身体症状化する子どもの対応として,ネガティブな情動体験を軽減することと,体験した場合は抑制し過ぎないようなかかわりが必要であること,また,情動調整のスキルを発達させるようなかかわりが必要であることが示唆された。この結果は学会で公表した。現在はその論文を執筆中である。 また,平成25年度は心身症・神経症児の情動調整スキルの特徴とその影響要因を明らかにするために,健常群の小中学生とその保護者(両親)に対してアンケート調査を実施した。子どもに対しては①基本的属性②子どもの情動調整尺度③心身の訴え尺度について調査し,保護者には④基本的属性⑤感情表出尺度(FAS)⑥不安尺度(STAI)について調査した。現在データの回収は終了し,データ分析を開始している。また,患児群のデータ収集は継続実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画として24年度は研究協力者の整備および家族の「感情表出(EE)」が子どもの情動調整スキルおよび子どもの身体症状や問題行動に与える影響を明らかにする心身症・神経症児群の調査を計画し25年度は対照群(健常児群)において,親の「感情表出(EE)」が子どもの情動調整スキルおよび子どもの身体症状や問題行動に与える影響を明らかにする予定であった。その研究のための情動調整尺度の開発が順調に進み,対照群の調査が予定通り終了した。患児群も継続的にデータ収集しており,ほぼ順調に進んでいるため,ほぼ計画通りに進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,収集したデータ分析を行い,心身症・神経症の子どもの保護者の感情表出の特徴を明らかにし,「感情表出(EE)」に関する家族療法を参考に,心身症・神経症児の家族支援モデルの検討を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は主に対照群の調査を実施したため,当初予定していたプリンターの購入をしなかったため,物品費の余剰が生じた。また,海外における成果発表のための旅費について,最も安いパックを活用することができたため,旅費の余剰が生じた。 平成26年度は25年度購入しなかったプリンターの購入にこの余剰金を使用する予定である。また,今年度も国内外における成果発表の予定があり,その旅費に補充する予定である。
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