2015 Fiscal Year Annual Research Report
「感情表出(EE)」を用いた心身症・神経症児の親支援モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
24593353
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 幸子 山形大学, 医学部, 教授 (30299789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 志保 山形大学, 医学部, 助教 (00512617)
遠藤 芳子 宮城大学, 看護学部, 教授 (20299788)
塩飽 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50250808)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子ども / 心身症・神経症 / 親 / 感情表出 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
親の情動表出(EE)が子どもの情動調整や子どもの心身症状に影響を与えるという仮説をもとに質問紙調査を実施した結果,子どもの心身症状の訴えが高まりには,両親の不安傾向など親の感情表出だけではない要素のほうが関連していることが明らかになった 以上の成果から,心身症・神経症児に対して,従来の家族療法を一律に実施するのではなく,親の不安等を考慮した支援が必要であると考えられた。そこで小児科外来の看護相談に継続的に通院した神経症・発達障害児の保護者の不安と感情表出の特徴とそれに対する相談内容および子供の症状の変化を分析した。対象は特定機能病院小児科外来に通院し,看護相談を継続的に受けたことのある心身症・神経症児17名の診療録(含看護記録)である。その結果,保護者の不安やかかわりの特徴とそれに対する相談内容では母親の不安が高く,子供への非難も強いパターンが4名であり,母親に対して子供のよい点を示し安心させたり,カウンセリング的かかわりをした。母親の不安が高く,期待も高いが子供への非難が強くないパターンが1名であり,過剰な期待の自覚を促した。父親の子供への非難が強いパターンが4名であり,父親からの叱責を減少させるように説明した。母親の不安は高くなく,愛着への応答性が低いパターンが2名であり,子供に対する対応の仕方を具体的に教示した。過去に父親からのDVがあり別居になったものは5名で,母親へのカウンセリング的かかわりがほとんどであった。子供に発達障害があり両親の非難が高いものが1名であり,ペアレントトレーニングが中心であった。相談期間の中で主訴等の症状が消失したものが14名で,症状の軽快が見られたものは3名であった。神経症・発達障害児の親支援に当たっては,親の不安と感情表出の特徴および子供の発達障害等を把握して家族療法を組み立てていくことが子供の症状改善につながることが示唆された。
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Research Products
(3 results)