2014 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期からの産後うつ病予防に向けた早期看護介入プログラムの開発
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24593356
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 真理 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70610210)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 産後うつ病 / 母子相互作用 / アタッチメント・スタイル / 看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
池田らの先行研究では、妊娠期の母親が持つアタッチメント・スタイル(以下、AS)が不安定であると、産後うつ病発症と関連すると報告された。今年度は、同じ対象者にフォローアップ研究として、子育て期にある母親の抑うつ状態が、子どもの気質、母子相互作用、夫婦関係、父親の育児行動、および母親の妊娠期のASと関連があるか、明らかにすることを目的とした。妊娠32週にアタッチメント・スタイル面接によりアタッチメント・スタイル(AS)を評定した女性で、出産した児が34-36ヶ月になった母親22名を対象に、質問紙調査と面接調査を行った。質問紙では、対象者の属性、抑うつ、子どもの気質、夫婦関係など、測定し、母子相互作用は観察法(NCAST)にて測定した。母親の抑うつと有意な相関が認められたのは、妊娠期のAS、子どもの気質のうちdiscomfort、 soothabilityであった。重回帰分析の結果から抑うつに関連があったのは、夫婦関係であった。単独では妊娠期のASは母親の抑うつと関連していたが、複数の要因から抑うつを予測するモデルでは夫婦関係が関連していた。育児期においては,夫婦関係が母親の抑うつ状態を改善している可能性が示唆された。このことから、子育て期においては,父親の育児行動や夫婦関係が母親の抑うつ状態を改善している可能性が示唆された。医療専門職が家族への支援を考えるとき,夫の子育てへの参加を促す視座が重要であると考え、今後のプログラム内容についての課題とした。
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