2013 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸がん好発年齢母親小集団の検診行動を促す看護職指導者養成プログラムの効果検証
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24593360
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 綾子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00313742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波崎 由美子 福井大学, 医学部, 講師 (80377449)
佐々木 由梨 自治医科大学, 医学部, 助教 (30626809)
松木 健一 福井大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10157282)
佐々木 くみ子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00284919)
西頭 知子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (90445049)
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Keywords | 子宮頸がん検診 / 育児期女性 / 看護介入プログラム |
Research Abstract |
I.目的:子宮頸がん好発年齢にある育児期母親の検診意識向上を促す看護介入プログラムの効果を検証する。 II.方法:1.調査期間:平成25年6月~11月。2.対象:A市主催の8か所の子育て教室に集まった乳幼児の母親115名。3.データ収集方法:手順1)セミナー前調査(独自に作成した質問紙による自記式質問紙調査)①対象者の特性 ②子宮頸がんに関する知識 ③検診状況 ④検診に対する意識5項目(5段階リッカート法) ⑤子宮頸がん・検診・ワクチンの理解度3項目(5段階リッカート法)。手順2)セミナー実施(担当者は、指導者養成セミナーを受講した新生児訪問担当の開業助産師4名):はじめの10分間、育児情報(皮膚ケアなど)を紹介し、独自に作成した小冊子・子宮モデルを用いた30分程度のセミナーを実施した。手順3)セミナー後調査:検診に対する意識、理解度(セミナー前と同様)。4.分析方法:統計学的に分析した。5.倫理的配慮:A大学医学部倫理審査委員会の承認を得た上で実施した。 III.結果:1.対象者の特徴:対象者の年齢は、30-39歳が79名(68.7%)で最も多かった。29名(25.2%)が妊婦健診時以外に子宮頸がん検診を受けていなかった。受けない理由は、「きっかけがない」17名(14.8%)、「時間がない」10名(8.7%)であった。「子宮頸がんワクチンを接種しても検診が必要である」については、「知っている」49名(42.6%)、「知らない」47名(40.9%)であった。2.子宮頸がん検診に対する意識の前後比較では、セミナー後「検診を受けようと思う」が有意に高まり、「検診への不安」「検診の抵抗感」「見つかることへの心配」は有意に減少した。理解度においては、すべての項目においてセミナー後の方が有意に高まった。 IV.結論:本プログラムが、育児期母親の子宮頸がん検診意識向上に有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.指導者用マニュアル、啓発セミナー用パンフレットを作成、活用することができた。 2.病院や地域で、子宮頸がん好発年齢の育児期母親に関わることの多い助産師に、独自に作成した指導者マニュアルを用い、子宮頸がん啓発のための看護職指導者養成セミナーを行うことができた。 3.看護職指導者による育児期女性を対象としたセミナーを実施することができた。 4.しかし、平成25年6月、子宮頸がん予防ワクチン定期接種推奨の一時見合わせのため、予定して啓発セミナーが数か所で中止された。このため、予定した対象者数を確保することが困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
第3段階:平成24.25年度プログラム内容を修正し、看護職指導者による育児期母親小集団へのミニセミナーを実施、評価する。 1.期間:平成26年6月~平成26年12月、2.対象:福井県内で研究協力に同意を得られた育児期母親3500名(対象者を1か月健診のため来院した褥婦も含め拡大する)、3.データ収集方法、1)ミニセミナー前後質問紙調査、2)ミニセミナー実施(内容:小冊子を用いた15~30分程度の対面式のミニセミナーを小集団10~15名程度に実施する。)第4段階:平成26年4月~平成27年3月:対象者のうち重点実施モデル地区の育児期母親世代の検診率をプログラム実施前(平成24年度)と実施後(平成25、26年度)で比較する。プログラムを評価・完成させ、研究成果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
育児期母親の検診意識向上をめざしたセミナーの効果検証を行った。しかし、平成25年6月、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種推奨が一時見合わせになったことにより、予定したセミナーが実施できない状況があった。このため次年度使用額が生じた。 1.看護職指導者養成セミナーの実施・評価を行う。病院や地域で、子宮頸がん好発年齢の母親に関わることの多い、看護職に指導者養成セミナーを実施する。1)子宮頸がん関係の和・洋図書が必要である。2)子宮頸がん啓発用指導者マニュアル(100冊)の印刷経費が必要である。3)消耗品(インクカートリッジ、印刷用紙、USBなど)・文房具が必要である。4)セミナー時共同研究者の旅費が必要である。5)最新の情報収集のための旅費が必要である。2.指導者による母親小集団に対するミニセミナーを実施・評価する。1)子宮頸がん啓発用小冊子(3500冊)が必要である。2)データ入力用パソコンが必要である。3)データ入力のための謝金が必要である。4)研究補助者への謝金が必要である。3.プログラムを評価・公表し、完成させる。1)研究成果発表用の国内・国際学会旅費・ 論文校閲のための経費が必要である。
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Research Products
(2 results)