2012 Fiscal Year Research-status Report
地域連携型「継続助産ケア実践研修プログラム」の創成
Project/Area Number |
24593361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小林 康江 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (70264843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 竹美 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (90279919)
中込 さと子 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (10254484)
窪田 陽子 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50625192)
丸山 和美 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (50377488)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 助産師教育 / プライマリーケア / 助産基礎教育 / 助産師卒後教育 / 教育プログラム / フィールドワーク |
Research Abstract |
「継続助産ケア実践研修プログラム」は、プライマリーケアの場で、新人助産師が、卒後2~3年で到達するといわれている1人前のレベルになるまでの一貫した研修プログラムである。この中には継続して妊産婦のケアを実践することを含み、本研究は、このプログラムとシステムの構築を目指すものである。 平成24年度は、研修プログラム作成の準備とし、国内外の新人助産師に提供されている研修内容を調査する予定であった。しかし、平成24年6月にフィールドとなるクリニックに新人助産師の就職が決まったことを受け、平成25年4月から新人助産師の教育が開始することが決定した。さらに、日本看護協会から新人助産師研修ガイドラインが示され、国内調査から明らかにすべきことが明確になった。以上から、平成25年度に予定していた研究実施内容を前倒しし、実施している。平成24年10月までは、看護基準・手順の作成、新人教育に向けて助産学生の実習指導を活用したOJTを重ねた。11月から月2回、大学・クリニック合同検討会を持ち検討を重ねた。 3年間のプログラムのゴールは、ローリスク妊産婦に対する妊婦健康診査、分娩管理、産後の母子までトータルケアが提供できる助産師の育成と設定した。各年度の達成課題は、1年目分娩管理と産褥母子のケア、2年目妊婦健診、3年目妊婦健診から産後1か月まで継続した助産ケアの実践と定め、1年目のプログラムを作成した。欧米の助産師教育における分娩介助件数40例を参考に、1年間を10,20,30,40例,1年の5時点をマイルストンとし、期間毎の到達目標、教育方法を定めた。また教育に用いる業務・到達度チェックリストを作成した。成果は、助産師教育協議会、山梨看護学会、日本助産学会で学会発表し、第30回国際助産師連盟学術集会で発表するため演題登録をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新人助産師研修ガイドラインが公表されたことにより、国内調査の目的としていたことが明らかになった。平成25年4月より、新人助産師の教育を研究協力施設で実施することが決まった。そのため、計画を修正し、クリニックスタッフと共に「1年目の継続助産ケア実践研修プログラム」を作成した。計画当初に比べ準備期間が半減したものの、4月1日より作成したプログラムに則り新人教育が実施されている。また本研究に関し、助産師教育を実施している他国立大学の視察を受け、研修プログラム内容について、マイルストンの設定や、その段階毎の目標設定について評価を得た。4月1日より、プログラム通り、1週目はオリエンテーション期間とし、スタッフの実践を見学し、その指導を指導者が行う体制で過ごす中、新人助産師の「実践したい」という気持ちが醸成され、導入は順調に進んだ。現段階は、10例目に向けて、オンコール体制で、入院から分娩まで1人の産婦に対し継続助産ケアを実践している段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度:クリニックスタッフが実践する新人教育のサポートと、2年目に向けての「継続助産ケア実践研修プログラム」の構築を目指す。2年目の目標は、妊婦健診を自立して行うことができることであり、すでにその準備に着手している。また、1年目の到達度を明らかにするため、マイルストン毎に臨床判断能力やケア能力についてフィールドワークやインタビューを用いて記述的に明らかにする。平行し、1年目の研修プログラムの教育評価は形成的評価の手法を用い、その段階で何が獲得されているのかいないのか、誤って認識されているものは何かなどに沿って評価する。プログラムの一環として、キャリア形成、臨床判断をテーマとした集団教育を企画する。また、引き続き助産師基礎教育を実施すると共に、助産師基礎教育の評価は、卒後1年後の状況をフォーカスグループインタビューを用い実施する。これは卒後3年まで縦断で追う。 平成26年度: 3年目の目標「妊婦健診から産後1か月まで継続した助産ケアが自立して実践ができる」達成にむけた研修プログラムを構築する。平成25年度に準じ、到達度と、継続教育の評価を行う。本成果を、平成26年6月プラハで開催される第30回国際助産師連盟学術集会で発表する。さらに、諸外国の新人助産師教育の状況について、学会に参加する国外の助産師を対象に情報収集を行う。これらの成果は国内雑誌にて発表を行う。助産師基礎教育の評価は、平成25年度に準じ行う。 平成27年度:「継続助産ケア実践研修プログラム」3年目の成果とし、本プログラムを3年実施することを通して獲得される助産師の臨床判断能力やケア能力について明らかにする。本成果を、国内の関連する学会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年4月より新人助産師教育の実施となった。計画を修正し「1年目の継続助産ケア実践研修プログラム」を作成したため余剰金が生じた。1.1年目の到達度の記述:マイルストン毎・フォーカスグループインタビューのデータ収集にかかる交通費、テープ起こし、対象者への謝礼、レコーダーを見積もる。2.卒後集団教育:卒後教育を年3回企画し、講師交通費、謝金を計上する。3.「継続助産ケア実践研修プログラム」2年目の教育プログラムの作成にあたり、クリニックスタッフと共にマイルストン毎4回、10月以降、月2回のペースで合同検討会を実施する。4.成果発表:第30回国際助産師連盟学術集会で発表するため演題が採択後、発表原稿やポスターを作成し、ネイティブによる指導を受ける。国内の助産関連の学会で発表する。 1.1年目の到達度の記述 1回60分×2名(東京反訳簡易見積参照 18,000円) 5回分 180,000円,フォーカスグループインタビュー 2時間(36,000円) 36,000円,交通費 インタビュー 2,100円×5回,フォーカスグループインタビュー交通費 卒業生7名(山梨県6名、横浜1名) 約5万,謝礼:7人×3000円 21,000、縦断2名、10,000円×2人 20,000,キングジム:ミーティングレコーダーMR360 34,650円,ソニー:メモリーカードレコーダー ICD-LX30 SONY 7000円 2.卒後集団教育 講師講演謝金 20,000円×3回,交通費(都内) 15,000円×3回 3.継続助産ケア実践研修プログラム2年目の作成 会議費:お弁当700円×10人×16回 112,000円,会議費交通費 2,100円×12回×5人=126,000円 4.成果発表 英文校閲など、100,000円,ポスター作成 30,000円,国内学会での発表 300,000円(大阪、埼玉など)
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