2014 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における日本型助産技術研修の継続的開催及び受講者情報システム構築の研究
Project/Area Number |
24593370
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大嶺 ふじ子 琉球大学, 医学部, 教授 (40295308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 シゲ 琉球大学, 医学部, 教授 (50274890)
玉城 陽子 琉球大学, 医学部, 助教 (70347144)
遠藤 由美子 琉球大学, 医学部, 准教授 (90282201)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 南スーダン共和国 / 助産師育成 / 現任研修 / 半構造化面接 / 質的データ分析 / 自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、南スーダン国の助産師たちが、現任研修で学んだ知識やスキルを、妊産婦や同僚助産師との相互関係の中で必要時調整・応用していく技術適用プロセスを質的に分析し、研修効果発現に影響を及ぼす要因を明らかにし継続的実施に寄与することを目的とした。対象は、JICA(国際協力機構)と同国保健省が共同で行った助産師現任研修を2回以上受講した6名と管理職5名の計11名であり、研修から約一年半後の2013年4月26日~5月12日、現地にて半構造化面接を行った。データ分析は質的分析法M-GTAを用い、生成した概念と概念との関係を検討、関係図にし、ストーリーラインを作成した。助産師が現任研修でスキルとして身につけた後のスキル蓄積は環境的要因と内在的要因によって影響される。環境的要因に対して助産師は、現慣習を覆すほどの利益がもたらされると判断し自然出産を導入、早期受診啓もう活動を識字率の低い女性に限定せず地域全体に実施、同僚の低い言語能力に対しアラビア語の補助教材作成・ロールプレイやシミュレーションの活用で言語の壁はある程度乗り越えられると語った。内在的要因として、成功体験、他者からの評価、スキルへの自信などを挙げ、研修で得た技術を妊産婦に施す、同僚に伝達することが上司や地域の人々から良い評価や感謝を受けることで自己効力感が高まり、スキル蓄積の促進要因となった。自己効力感のレベル維持・向上につながる体験型現任研修の重要性が示された。 JICAによる保健人材情報システム(Human Resources Information System:HRIS)による保健人材・研修アップデート調査やデータ集積を続けていたが、日本人専門家の地方出張制限、適任な現地調査責任者不在等で調査が進まない状況が続いた。また根本的な課題として保健職種の標準化の問題も深刻であり大きな課題が残った。
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Research Products
(5 results)