2013 Fiscal Year Research-status Report
医療-教育-家庭が連携する児童・生徒の喫煙防止教育方法の開発
Project/Area Number |
24593371
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00264531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三瀬 敬治 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30200025)
浅利 剛史 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40586484)
田畑 久江 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60323408)
北田 雅子 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40382460)
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Keywords | 医療・福祉 / 看護学 / 生涯発達看護学 / 小児看護 / 教育 |
Research Abstract |
平成25年度は、小学6年生を対象に喫煙防止教育を行い、その効果を検討した。(1)対象;公立小学校2校の6年生147名。(2)教育の特徴;①研究者による講義(45分~60分)、そして授業1か月、2か月、3か月後に喫煙に関する②ワークシート(WS)実施、③ニュースレター(NL)の配布。 (3)教育効果の評価;倫理委員会の承認後、授業前・直後・3か月後に担任教諭を介して児童へ無記名自記式質問紙調査を実施した。質問紙内容は(a)対象の属性、(b)喫煙の認識(加濃式社会的ニコチン依存度調査票KTSND-youth 10項目で高得点ほどタバコに心理社会的依存)、(c)WS及びNLの評価等である。分析方法は、(a)(c)は回答選択肢の百分率を求め、(b)は回答を数値化し、回答時期別に総得点を統計解析した。 授業前129部、授業直後124部、3か月後124部の有効回答を得た。男児60名(46.5%)、女児69名(53.5%)で、児の周囲に喫煙者がいる者は66名(51.2%)であった。WSを行った119名(96.0%)のうち、興味をもった内容はタバコ川柳51名(41.1%)、タバコの誘いを断る台詞38名(30.6%)等であった。NLを読んだ者は86名(69.4%)で、81名(65.3%)が母親にNLを見せていた。KTSND-youthスコア(中央値)は授業前4.00、授業直後2.00、そして3か月後3.00であり、授業前と授業直後の間で有意差があったが、授業前と授業3か月後では有意差がなかった。 同学年に喫煙防止教育を行った先行研究(今野,2012)のKTSND-youthスコアと比較すると、本研究の授業直後、及び3か月後のスコアが低かった。児の周囲の喫煙者率が先行研究より20%程度低下した無煙化の風潮が進んだこと、そして今回、新たに加えたWSとNLの教育活動が反映したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の活動は、①喫煙防止教育を行うこと、②教育評価を行うこと、③情報収集と成果報告の点から関連学会で報告する、④喫煙防止教育に携わる養護教諭らと情報交換会を行う、であった。 ①、③、④は行うことができたが、②に関しては、現在、データ入力までは済んだが、解析の途上である。引き続き、研究分担者や協力者と連携しながら進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、喫煙防止教育を実施した評価を中心に行う。データ解析に際しては統計プログラムパッケージを用いた量的な統計解析のみならず、自由記述などのテキストデータもテキストマイニングなどの解析ソフトを用いて詳細に解析を行う。 上述した教育効果の解析結果については、国内外で開催される学術集会において報告し、関心を同じくする研究者と積極的に情報交換する。また、研究成果はインターネット上でも公開し、関係者との意見交換を活発に行う予定である。
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