2013 Fiscal Year Research-status Report
第三次医療施設における妊娠リスクスコアの有効性の検証と医療連携システムの構築
Project/Area Number |
24593387
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Research Institution | Seisen University |
Principal Investigator |
金森 京子 聖泉大学, 看護学部, 講師 (10352915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 桂 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40324561)
吉川 英治 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (80263036)
只友 景士 龍谷大学, その他部局等, 教授 (30303762)
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Keywords | 妊娠リスク自己評価表 / スコア / リスクレベル / 三次医療施設 / 総合周産期母子医療センター / 母体搬送 / 出産場所 / 医療連携 |
Research Abstract |
本研究の目的は、①「妊娠リスク自己評価表(以下スコア)」を用いて分娩帰結を評価し、妊娠期のリスク得点と各リスク群の関連を検討すること、②当該施設に搬入された妊婦を抽出し、リスク得点と併せて事例の背景を分析すること、③利用者のスコアの周知・利用状況に関する実態を把握し、自らの出産や出産場所選択の諸条件にどのような要望を持っているか明らかにすることである。 平成25年度における研究は、研究目的の①~③に照らして、平成25年1月1日から現在まで「平成24年度分娩者」調査と「平成25年度分娩者」調査を継続的に実施して来た。平成24年度では約226件、平成25年度調査では約392件のデータが収集でき、入力・分析段階に入っている。 本研究の意義は、総合周産期母子医療センター(三次医療施設)を調査対象とすることによりスコアの利用が医療連携の一助となる可能性について検証することにある。特に、一次・二次医療施設から三次医療施設へ母体搬入や紹介受診される事例においては、診療所調査では明らかにできなかった重要な視点を有している。これまでの一部のデータ分析によると、目的①に対しては、当然のことながら総合周産期母子医療センターでは高リスク得点の分娩を取り扱っている傾向があり、低リスク群の分娩では異常帰結は認めなかったことが示唆された。また目的②に対しては、高次医療機関への母体搬送や紹介受診を必要とする事例においてある程度スコアの有用性があった。さらには、目的③に対しては、スコアは出産を控えた女性にとって自らのリスクレベルを知る指標として必要とされているが、出産場所を選択する手段としては利用したいとは考えていない傾向が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度分娩者への調査では、平成24年1月1日~12月31日までに分娩し、当該調査研究の対象となった526名へ調査票を郵送配布・郵送回収した。現在237件の返信(回収率45.1%)があり、施設スタッフの協力のもと、対象者の診療録・助産録よりスコアの回答について点検を行い、同時に分娩帰結に関する情報を収集した。平成25年度分娩者への調査では、平成25年1月1日~12月31日までに分娩した約550名へ調査票を産後3日目に以降に手渡し、回収ボックスを設置して、原則退院前に回収した。協力が得られた対象は約400件(回収率72.7%)で、以下の手順は同じ。平成24年度調査と平成25年度調査を合わせて約650件のデータが収集できた。 研究の達成度がおおむね順調に進展しているのは、①研究者らと医療機関における研究協力者らの協力体制が整っていることと、②調査方法の若干の変更により調査の負担が軽減したこと、③定期的な研究会開催と学会発表の目標を立てたことにより、目標に向けたスケジュールの進行できたことによる。とりわけ②では、平成24年度評価の段階で、途中研究方法について若干の微調整を行っている。調査開始前の段階では、スコア本来の利用方法に基づいて平成25年度分娩者の調査は前方視調査を実施する予定であった。しかし医療機関における研究協力者並びに、対象者への倫理的配慮により前方視調査は困難と判断し、平成25年度分娩者の調査も平成24年度と同じく、分娩後の後方視調査として実施した。結果、調査の負担度がはるかに軽減し当初予定通りに調査研究が進行している。①と③では、医療機関の研究協力者を掌握する研究リーダーの存在と学会発表等の目標設定により、作業効率が格段に上がったと考えられる。平成25年度に開催された国内外の学会にも成果を報告できた。 以上より、当該研究はおおむね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、残された平成25年度分娩者分の点検と分娩帰結に関する情報を収集する。今年は最終年につき早期にデータをそろえ、研究目的に照らした分析と論文執筆に着手する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査フィールドである施設の状況により、研究対象者の調査票の受け取りが遅延した。これにより、研究協力が得られた対象者への謝金、調査票の入力・点検作業にかかる研究支援員の雇用がH25年度中にできなかったため。 上記の理由によりH25年度に使用できなかった分は、H26年度におおむね執行する予定である。またその他、論文執筆のための文献・書籍の購入、国内外の発表に掛かるネイティブチェック、学会参加費、旅費、研究に掛かる消耗品等に予算を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)