2014 Fiscal Year Research-status Report
肌トラブルを有する乳児の皮膚洗浄法に関する研究ーs洗浄法の母子に及ぼす影響ー
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24593395
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
古田 祐子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (60364163)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮膚洗浄法 / 乳児 / 表皮pH / 身体的影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該洗浄法の有用性については、先行研究にて皮膚画像、皮膚測定器Derma Unit SSC3、細胞染色法を用いた検証実験を試みた結果、皮膚症状、汚れ、肌理等の明らかな改善を確認した(母性衛生50(3)2009)。また、縦断的研究により、調査対象の全乳児の皮膚症状は洗浄実施後7日以内に消失し、同時に皮膚バリア機能の指標である表皮pH値の弱酸性化、及び水分量の増加が認められた。これらの研究結果から、一般に乳児湿疹は3~4週間で改善するといわれているが、S洗浄法は1週間以内に改善する洗浄法として有用であることが明らになった。しかし、当該洗浄法を一般に普及させるには2つの課題が抽出された。それは、母子の心身に及ぼす影響が明らかにされていないこと、養育者に対する洗浄技術習得のための教育が未整備状態であることの2点である。そこで、本研究では、研究目的に照らし合わせ、平成24年度から平成25年度にかけ、洗浄法が乳児の身体に及ぼす影響と洗浄法が実施者である母親の心身に及ぼす影響について、実験的手法を用いて調査を実施し、予定していた以上の対象数のデータを得た。平成26年度は、この調査で得られたデータを分析し、検討後、その一部の成果について学会で報告し、論文としてまとめた(福岡県立大学看護学研究紀要12,2015)。さらに、研究成果の一部を平成27年度に開催される学会で発表するため、演題登録したところである。この発表内容も学会誌に論文として投稿する予定であり、現在準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究3年目である平成26年度は、これまでの調査で得られたデータを分析し、学会等で公表することを計画していた。研究成果の一部をICM(国際助産学会)と日本助産師会学会で報告し、原著論文として福岡県立大学看護学研究紀要に掲載された。また、当該研究結果をまとめたS洗浄法の改良のための会議用資料を作成することを計画にあげており、これもほぼ終了した。さらに、S洗浄法の改善検討委員会および小集団教育プログラム検討会会議参加者の選定も終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、S洗浄法の改善と沐浴教育プログラムについて、有識者会議を行い、試案プログラムによる小集団教室を1回開催することを計画している。プログラム参加者の募集と開催は7月から11月頃を予定している。 また、これまでの研究成果の一部をICMアジア大会(横浜開催)で公表するとともに、論文として投稿する計画を立てている。
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Research Products
(3 results)