2012 Fiscal Year Research-status Report
医療的ニーズのある子どもの保育・看護を実践するためのシステム作りに関する研究
Project/Area Number |
24593397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
金城 やす子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (90369546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 憲枝 名桜大学, 健康科学部, 講師 (40326509)
安里 葉子 名桜大学, 健康科学部, 講師 (70316222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 保育園看護師 |
Research Abstract |
本研究の目的は、沖縄県における保育園看護師の配置状況を調査し、実態把握をするとともに、勉強会や研修会を実施することにより、保育園看護師の質の向上を図ることである。さらに、保育園を利用する子どもの医療的ニーズの実態を把握したうえで保育の実践に向けての取り組みを行うことにある。 平成24年度は、沖縄県の保育園看護師の実態把握を行い、八重瀬町をフィールドとし、ネットワークを構築するため、看護師・保育士勉強会・研修会をを立ち上げ、月に1回の定例会を実施した。また、気になる子どもの保育として、専門化を招聘した研修会「気になる子どもと家族の保育」と題した大規模研修会を開催した。保育士250名が参加し、講義だけではなく、問題を抱えた事例について検討する場を設定し、専門家と看護師、保育士が自由にディスカッションできる場を設定した。個別相談会では事例が提供され、専門家とディスカッションをすすめ、保育に活用できるような支援を行った。 定例の勉強会・研修会は、ミニレクチャー、各園から提示される事例検討、情報交換等で組み立てた。方法としては、各園から問題を提示していただき、情報交換をしたのちに、適切な保育のあり方について検討した。参加した看護師は「保育園は看護師が単数配置であり、問題があっても一人で判断しなければならず、業務上の不安が大きい。本勉強会の参加によって保育園業務に自信をもつことができ、子どもとの関わりが向上した」と評価されていた。会を利用することで困難事例の解決策が可能となり、園での共有化につながり、保育実践につなげていた。このようなネットワークにより、看護師が定着できることで、本研究の目的である医療的ニーズのある子どもの保育実践に向けた取り組みが可能となると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、保育園看護師の配置実態の把握をすることが目的であり、沖縄県内の配置実態を把握した。さらに、研究フィールドとする八重瀬町の実態把握を行い、ネットワーク構築に向けた取り組みを開始したことから、おおむね当初の計画が実行されたと評価する。 全国の看護師の配置実態については、すでに先行研究により明らかにされていることから文献検討を行った。 医療的ニーズのある子どもの保育・看護の実践に向けて、現在問題とされている気になる子どもの保育について、専門家を招聘した研修会を実施した。さらに問題を抱える事例を個別に検討し、保育支援を行った。保育者を対象とした研修会を実施、日々の保育実践につなげた。これらの研究を通して、本研究の実施評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、病児・病後児や障害のある子どもの保育に関与する保育園看護師の実態を明らかにし、子どものQOL向上に果たす役割、保育看護を実践するための業務の明確化を行うこと、そのための保育園看護師のサポートネットワークの構築を図ることである。 看護師の業務を明確化、向上を図るため、保育園に働く看護師がどのような業務ニーズを持っているのか明らかにし、サポートシステムを構築していく。また、障害や医療的ケアを要する子どもと家族が、保育園にどのようなニーズを持っているのか、希望する保育のあり方を模索し、現在の保育園入園の課題を明らかにする。気になる子どもの保育について、子どもの成長発達支援をすすめるため、地域の保健師と連携を図り、保育園看護師の果たす役割を明確にする。 今後の研究として①医療的ニーズのある子どもと家族の保育ニーズを明らかにする。②看護師の業務ニーズを明らかにし、保育園看護師の業務を明確にする。③看護師、保育士を対象とした勉強会、研修会を開催する。④地域の保健師との連携を図る。⑤勉強会・研修会のフィールド拡大し、地域間の交流を図り、サポートシステムを活発化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①医療的ケアを要する子どもと家族の保育ニーズ調査(保護者を対象にしたニーズ調査を実施するための調査費用、及びデータ入力、処理のための費用、調査に使用するICレコーダー等の機器の購入) 約100000円 ②看護師の保育看護業務ニーズ調査及び研修の実施(ニーズ調査のための調査費用、データ入力用の費用、看護師の研修の機会として、学会等への参加費用) 調査費用 約150000円 学会・研修会参加(2名分×4回) 800000円 ③介入研究、看護師ネットワークとして実施している勉強会・研修会の継続開催、研究フィールドの拡大(八重瀬フィールド、名護フィールドと研究フィールドを拡大することに伴う開催費用、会議費、情報交換用のOA機器の購入、資料作成及び資料代等) 約250000円 ④保育看護を実践するための専門化を招聘しての研修会の開催(講師謝金、会場費、交通費、接待費等) 約300000円
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Research Products
(4 results)