2012 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸がんと診断を受けた女性の妊娠・出産に関する看護支援モデルの開発
Project/Area Number |
24593402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kiryu University |
Principal Investigator |
黒澤 やよい 桐生大学, その他の研究科, 講師 (00589062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 清子 群馬大学大学院, 保健学研究科, 教授 (40134291)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮頸管 / 異形成 / 子宮頸管円錐切除術 / 子宮頸がん検診 / セルフケア / 検診知識の普及 / 思春期教育 |
Research Abstract |
「出産後子宮頸部円錐切除術に臨む女性の体験プロセス」は、19の概念、8のカテゴリ、そして、以下の4コアカテゴリで構成された。①問題のないことを確認するために受けた検査なのにと〔異形成の診断に戸惑う体験〕、②自身の状況を理解しようと〔情報を探索し認識を深める体験〕、③出産後、術後の組織診断によっては子宮を切除する覚悟をもちながらも、子宮を残し出産したいという希望を持ち〔リスクを受け止め円錐切除術を受ける決断〕、④自身の体験をふりかえり周囲への啓発行動をとる〔情報発信者としての体験〕.今後、事例を追加し精度を高めてゆく必要がある。 「研究子宮頸部円錐切除術を受けた女性の検診履歴分析から見た検診のあり方に関する研究」では、以下の結果を得た。初回検診年齢:30(SD6)歳。初回検診動機:婦人科的変調による受診時11名(44%)、妊娠初期検診時7名(28%)、検診案内や無料クーポン7名(28%)。7割の人は妊娠や婦人科変調がなければ、検診の機会がなく異形成が進行していた危険性があった。初回検体採取方法:医師による採取は23名(異形成診断を受けたのは15名)。2名が自己採取(A:2年毎実施で6年目に妊娠時検診で異形成診断、出産後円錐切除、B:1年毎実施で14年目に異形成診断、3か月後円錐切除)。異形成指摘から手術までの期間:1か月半~8年、平均29(SD31)か月。1年以内に手術を受けたのは8名(32%)。出産後1年以内に手術を受けたのは6名(24%)であった。 円錐切除を受けるにいたるまでの心理過程と妊娠への思い、検診を受け始めてから異形成が中~高度に移行する期間のばらつきが見られている。妊娠ではじめて子宮頸がん検診を受ける率も28%と高く、性交体験後直ちに検診を開始する情報提供が必要とされている背景が明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたデータ数を得ることが出来た。その中の6例から、異形成診断を受けながら妊娠期間を過ごし出産後に円錐切除術を受ける女性の心理プロセスを明らかに出来た. さらに精度を高めるため,10例のデータ追加が必要と考える。従って、概念形成と関連性の検討が数ヶ月遅れる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.異形成診断を受けながら妊娠期間を過ごし、出産後に円錐切除術を受ける女性10例のデータを収集し、心理プロセスの精度を高めてゆく。 2.異形成診断および円錐切除術を受けた後、妊娠・分娩を迎える女性へのサポートシステムの検討を進めてゆく。 3.20~30代の女性に必要とされている検診サポートシステムを検討してゆく。 4.検診効果をあげている英国のシステムを以下の内容で調査する。 ①GP(かかりつけ医)で頸がん検診や思春期の検診・指導に携わっている方との面接・インタビュー、および実施している設備環境の見学 ②ナースの頸がん検診講習会の見学参加:難しいようであれば、①の方に詳細を伺う。③採取検体処理と細胞診断のプロセスの見学および、そのプロセスに関わるメディカルスタッフへのインタビュー④頸がん検診の実施状況の管理システムと検診へ働きかけの現状について、担当されている方に伺う。⑤頸がん検診結果と治療データ(総数・診断別数・子宮頸部円錐切除術実施数・子宮摘出手術実施数等、または資料検討⑥思春期のお嬢さんをお持ちのお母様へのインタビュー
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.データ10例の逐語化手数料、謝礼 2.英国のシステム調査に伴う調査費・旅費など 3.日本婦人科がん検診学会など関連する学会参加費 4.パソコン機器の購入
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Research Products
(2 results)