2012 Fiscal Year Research-status Report
青年期における多面的な次世代育成力支援へのアプローチ
Project/Area Number |
24593404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
岸田 泰子 杏林大学, 保健学部, 教授 (60294237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 智惠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00272625)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リプロダクティブ・ヘルス / 次世代育成力 / 生殖性 / 青年期 / 教育的介入 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実施計画として立案したものは以下の3点である。それぞれについて報告する。 1.文献検討:国内外の青年期男女に対する健康教育の現状、介入研究について文献検討を行った。その結果、国内での青年期男女に対する健康教育では、生殖性やリプロダクティブ・ヘルスを意識したものは非常に少なく、また親準備性など社会的側面などに焦点が絞られたものが散見された。国外における健康教育の現状は様々ではあるが、発展途上国におけるリプロダクティブ・ヘルスに関する教育は、避妊や性感染症の予防的対策であるかもしくは先進国の中には、親準備性を高めるような思春期からの教育的介入が見られた。不妊予防という視点からのリプロダクティブ・ヘルスに対する教育的介入は希少である。 2.青年期男女に対する多面的次世代育成力に関する基礎調査(質的調査および量的調査):今年度は調査には至らなかったが、その準備段階として、調査フィールドの確保と研究者の所属する機関および調査対象機関における研究倫理委員会において、審査を受け、それぞれの機関からの承認を得た。次年度には早々に調査にかかる準備を整えることができた。 3.スウェーデンにおける次世代育成力支援の現状視察:スウェーデンでの青年期における健康教育施設として、自治体により数箇所設置されているユースクリニックがある。このうち、ノルショーピン地区のユースクリニックを視察した。そこでは13~25歳の男女を対象として、リプロダクティブ・ヘルスに関する相談、避妊具の無料配布のみならず、恋愛や人間関係に関するカウンセリングなどが実践されていた。職員は医療職、看護職、心理職、福祉職と多岐にわたり、総合的なサポートが提供されており、若者の次世代育成力を育てる素地が形成される一助となっていることが感じ取れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
青年期男女に対する多面的次世代育成力に関する基礎調査(質的調査および量的調査)の実施に至らなかったが、準備段階までは整えることができ、年度初めには調査にかかる予定でいる。そのため達成度はやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査に向けてのフィールド確保、研究倫理審査委員会での承認、調査項目厳選など調査実施の準備は整っているので、年度開始とともに積極的に調査実施の方向である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内における質的、量的調査を実施するとともに、次の段階として、スウェーデンにおける青年期の量的調査の実施計画とフィールド調整を行っていくため、2名の研究者ともが渡瑞し、その準備を整える。したがって、次年度は国内および国外への旅費、調査結果の入力等としての謝金に研究費の多くを利用する計画である。
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